Genki Wi-Fi

フリーランス イラストレーター高田ゲンキの情報発信ブログ、『Genki Wi-Fi(ゲンキ・ワイファイ)』。

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イラストレーターになるには ②
「イラストレーターになりたかったら、デジタルをきわめろ!」

      2016/10/10

 - イラストレーターになるには    -

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「イラストレーターになるには」シリーズ、本編第2回目は「デジタルをきわめろ!」です。

デジタルをきわめろ!

もう既にデジタルスキルを普通に使っている人にとっては「何を今さら…」なテーマかもしれませんが、イラストレーター志望者の相談に乗ると、意外なほどこの「デジタルの重要性」を軽視している人が多いのです。また、既にイラストレーターとして仕事をしている人でも、かなりの割合で「実はデジタルが苦手」という人がいます。

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イラストレーター業界に限らず、日本人は比較的ITに弱く、「デジタルを使わずに何とかなるなら、使いたくない」という人が多いのですが、その点に関してはっきり言うと、もはや「使わずに何とかなる」時代は終わり、今や「使えない人は生き残れない」時代と言っても過言ではありません。

なぜデジタルが大事か【制作編】

① 効率性が高い

まず、何と言ってもその効率性です。イラストを作成すること自体、デジタルを極めるとものすごくスピーディにできますが(実際、僕は過去に納品の早さで感動されたことが数えきれないほどあります・笑)、それだけでなく、クライアントとの一連のやりとりにおいても効率的です。

具体的には、たとえばひとつの案件が発生してから納品するまでのフローとして、「①クライアントからメール発注→②メール返信(受注確定)→③ラフ制作→④ラフをメールで送信→⑤ラフの修正あるいはOKのクライアントからのメール→⑥着色等仕上げ作業→⑦完成イラストデータをメールで送信」という感じですすめ(9割以上、このパターンです)、更に納品後は「⑧必要がある場合は請求書や納品書を発送→⑨銀行口座への入金を確認」という雑務も発生するわけですが、この①から⑨までのすべての作業を、僕は家から一歩も出ず、紙も鉛筆も全く使わず、Macだけで完結させています(ちなみに上記③と⑥は別記事「イラストの制作工程を公開!」で公開しています)。

いまだに「直接会うことが大事!」という人もいますが(そして、たしかに会えるなら会った方が良いというのも分からないでもないですが)、ビジネスにおいては、多くの場合「直接会うかどうか」よりも「速いか遅いか」の方が大事であることが多く、そのような多忙な時代に追いつくには作業環境のデジタル化は不可欠だと言えます。

ちなみに僕の作業環境はこちらの記事↓で紹介しています。

イラストレーターのMac環境(メインマシン編)

イラストレーターのMac環境(周辺機器編)

② デザイン要素との親和性が高い

かつて(20年前くらいまで)は、印刷業界は写植というアナログ技術でデザインのレイアウトを組んでいましたが、今や出版も広告も印刷業会はほぼ100%デジタルでデザインを組んでいます(DTP = Desktop Publishingと言います)。そして、もちろんWebデザインも同様に全てデジタルなわけです。

つまり、イラストレーターは、ただイラストを描くスキルだけでなく、できれば、デジタルデータとして納品できる方が重宝される時代ということです。

具体的に言うと、僕の場合はフルデジタルで描いているので、Illustratorで仕上げたイラストをPSD形式やJPG形式の画像ファイルに書き出して、メールに添付して納品するわけですが、その際に「カラーマネジメント」とか「画像サイズ(解像度)」とかの知識が必要になります(それが無いとサイズが合わないイラストや、色味がおかしいイラストを納品してしまい、刷り上がった時に激しく後悔する)。

あと、よくやる方法として、クライアントから送られてきたデザインレイアウトのPDFをPhotoshopで開き、イラストスペースに直接ラフを描き込んでしまうのもアリです。これはレイアウトから逆算したイラストを制作しやすいので、クライアントやデザイナーに喜ばれます。

ちなみに、これはアナログタッチの否定という意味ではありません。ただ、アナログ画材(たとえば透明水彩とかアクリルとか)を使って描いている人も、自分でスキャンして、Photoshopでトリミングや色調補正を的確にして、そのままクライアントのデザイナーが使えるデータを作成できる程度のスキルはあるべき、という話です。もちろん、そこまでできなかったら絶対仕事がもらえない!という訳ではありませんが、たとえば同等の画力のイラストレーターが二人いて、片方はそのくらいのデジタルスキルがあるけどもう一方は無い…というケースだと、前者の方が有利であることは間違いないでしょう。

しかしながら、全体にデジタルで作業した方が効率も良いし仕事としての可能性も広がるので、特別タッチにこだわりが無くて「デジタルかアナログかどっちの路線で行こうか迷っている」という人がいたら、僕は迷わずデジタルを薦めますね。

③ 修正に強い

これは①とほぼ同じかも知れませんが、特にイラストの仕事には修正がつきもので、修正に泣かないイラストレーターはいないと思います。もちろん、僕も修正は好きではありませんが、しかしながらそれほど苦でもないのも事実です。

特に、僕の場合はイラスト作成において仕上げの作業を全てIllustratorで行うのですが、このIllustratorデータはデジタルの中でも群を抜いて修正に対応しやすいソフトなので、一見厄介な修正依頼が来ても意外とあっさり作業できてしまって、クライアントに驚かれることがよくあります。

一方で、当然ながらアナログで描いた絵は修正に対応しにくく、修正内容によってはイチから描き直さなくてはならない場合もあります。なので、これに関しても、アナログタッチのイラストレーターであったとしても、修正が想定される案件に関してはパーツごとに描き分けてスキャンしてからPhotoshopで合成して一枚のイラストに仕上げる等のスキルを身につけることで、一枚絵として描く場合と比べて遥かに柔軟に修正に対応できるようになるわけで、その分クライアントにも喜ばれると言えるのです。

④ ノマド向き

フルデジタル制作環境のメリットのひとつが、このノマド力です。まあ、世界中飛び回らないまでも、MacBook Airと小さいペンタブを持ち歩いていれば、どこでも仕事ができて、急な依頼や修正にも対応できるというのは自分としても安心で、気軽に旅行に行く気にもなります。

たとえば、去年の3月、ドイツから日本への一時帰国の途中で飛行機が遅延して、僕はコペンハーゲン空港で10時間カンヅメになったのですが、幸いコペンハーゲン空港は電源とインターネットが完備されていたので、空港内で快適に作業をすることができ、翌日の〆切にも間に合って事なきを得ました。さすがに、空港のテーブルで紙を広げて絵の具で絵を描くわけにはいかないので、この辺はホントにデジタルイラストレーターの強みだと思っています。

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↑コペンハーゲン空港にて

僕はクリエイターにとって大事なのは移動距離だと思っているので(ウソです。これはある人の受け売り)こうしたフットワークの軽さは、クリエイターとしての成長にも重要だと考えているのです。

なぜデジタルが大事か【資料収集編】

① 検索能力も重要なスキルのひとつ

デジタルスキルといってもグラフィック系のアプリケーションを使いこなすことだけでなく、インターネットなどのテクノロジーの造詣を深めて、自分のビジネスにリンクしていくこともまた重要なスキルと言えます。

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特にイラストを作成する上で資料収集は大事なわけですが、良くも悪くも昨今はGoogle検索が便利になりすぎて、特に画像検索を使わないイラストレーターはもはやいないでしょう。コレに関しても「なるべく資料は自分自身で見つけて、自分で写真を撮ったりスケッチをするべきだ!」という硬派なイラストレーターの先輩方もいるのですが、現実的に絶対そんなの無理だし(笑)、たとえば1点3,000円の小さいカットの仕事のために、街に繰り出してダンプカーの写真撮るわけにいかないし、しかも、絶対そういうことを言う硬派な先輩方もググってると思うわけですよ(笑)。

で、とにかく、検索を制するものはスピード勝負の案件を制す!とも思っていまして、いかにイメージに近い資料を探すか…というのも、立派なデジタルスキルのひとつと言えます。具体的な検索方法に関して書くと長くなるので、また別記事に(書ける範囲で・笑)書こうと思いますが、例としては「英語のキーワードで検索する」とか、そういうことです。あまり良い具体例が思い浮かびませんが、例えば「ノルウェイの森林を描いてください」という仕事の依頼があったとして(たとえばですよ!)、しかし当然日本語で「ノルウェイの森」とググってもこうなってしまうのでマトモな資料が出てこないわけです(笑)。しかし、英語で「Forest in Norway」と調べると…このとおり! とか。あと「ワンピース」じゃなくて「one-piece dress」とか、「ベルリンの雨」じゃなくて「rain in Berlin」とか…。まあそういうことです。

② 収集した資料を加工できる

もちろん、ネット上の画像をそのまま使ってトレースなどしてしまうと著作権侵害などの問題が生じてしまうのでやってはいけないわけですが(そういう事例が割と最近ありましたよね…)、集めた画像をPhotoshopで切り貼りしてコラージュしてしまえば、ある意味で立派なオリジナル資料が完成するので、それを元に描いてしまえば著作権的な問題は無くなりますし、それだけでなく、自分が探している資料ドンピシャの画像が検索結果に出てこなくても、コラージュで作ってしまうこともできるので効率的と言えます。

例えば、スーツを着ているショートカットの女性の頭の部分だけロングヘアーのモデルのものをコラージュして資料にする…とか、日産マーチの側面にジャンボジェットの翼をくっつける…とか、まあ何でもできますよね。

なぜデジタルが大事か【雑務編】

① 請求書も納品書もオンラインで送れる

フリーランスのつらいところは、イラストを描くだけではなく、納品後の雑務も基本的には自分でしなくてはいけないことですが、近年はオンラインサービスの充実に伴って、かなりラクになってきました。たとえば、僕は請求書(場合によっては納品書も)を自分では一切作成せず、misocaというオンライン代行サービスで、作成から発送まで代行してもらっています。  

misocaは、安価(請求書の場合、送料も含めて180円なので、実質100円!)だし、手軽だし、インターフェースは分かりやすいし…で、もうコレ無しでは仕事ができないくらいお世話になっています。特に僕は海外にいるので、世界のどこからでも日本国内のクライアントに請求書を送れるこのサービスは本当に重宝しています。

② 入金や送金もネットバンクでできる

これはもはや常識ですが、今や入金確認や送金もネットバンクでできるので便利です。特に、駆け出しの頃はうさん臭いクライアントがなかなか入金してくれなかったりしたものですが、オンラインバンクで逐一入金確認しては電話で入金催促…みたいなことをしたものでした(あ、この手のお金のやりとりもフリーランス必須のスキルですね)。

まとめ

とにかくデジタルスキルはいくらあっても困らない

以上、いろいろ書いてきましたが、とにかくデジタルスキルはいくらあっても困らないので、パソコンやアプリケーションやインターネットに慣れ親しんで、積極的に自分のワークフローに取り込んでいくべきです(顧客満足度に直接貢献してくれます・笑)。

ちなみに、この辺のデジタルスキルはイラストの業界誌でも全然フィーチャーされませんし、イラストの学校などでもあまり専門的に教えているところはありません。しかし、それは「重要ではないから」ではなくて「教えている人たちや雑誌を作っている人たちがテクノロジーについていけないから」でしかないので、真に受けないように注意しましょう(そもそも、今先生をやっているような年配の人たちの時代はデジタルスキルがなくても、イラストレーターとして仕事ができた時代だったので仕方ないのです)。これも、学校そのものの否定ではありませんが、もはやイラスト学校に行っても(学校で学べるようなスキルだけでは)イラストレーターになれる時代ではないので、その上で自分でデジタルスキルを身につける努力が必要ということです。

デジタルスキルはある方が良いに決まってる

もう、デジタルかアナログか…という議論がバカバカしすぎるほどデジタルスキルのメリットは明らかなので、これ以上書く必要は無いし、そういう議論を誰かとする気もありません。

とにかく、同じ画力(センス・デッサン力)を前提としたら、アナログだけの人よりデジタルを駆使できる人の方がクオリティの高いものを速く生産できるのは確実だし、アナログだけで既にプロレベルでうまい人でも、デジタルを導入することで可能性が更に広がるのも確実だからです。

一枚の絵を作品として描く場合はアナログを追求するのもアリですが、イラストレーションというのは何かしらの媒体の中でデザインの一部として機能して初めてイラストレーションになり得るので、そういった観点から考えるとデジタルを否定する要素は無いのです。

具体的な方法論はまた別の機会に

長くなったのでとりあえずこのくらいにして、 具体的な方法論は別記事で小出しにしていきたいと思います(もったいぶってるわけではなくて、一気に書けるほど単純ではないので)。

あ、イラストレーションの業界誌ではありませんが、イラストも含めたデジタルクリエイター向けの雑誌としてはMdNが良いので、特にこれから目指す人は一度買ってみると良いと思います。

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