【Q&Aコーナー ⑤】先日、イラスト学校の説明会に行きましたが、違和感が… 私はこの学校に通うべきでしょうか?

こんにちは。高田ゲンキ( genki119)です。

相変わらずブログを読んでいただいた方から度々ご相談ご質問のメールをいただくものの、特にここ数ヶ月は、マンガ連載育児・最低限のイラストの仕事をこなすだけで精一杯で、なかなかお返事できていないのですが、先日「商品としてのイラスト」という題名でDさんから届いたこちらのご質問は、久しぶりに面白かったので思わず即レスしてしまいました。内容は、イラスト学校の説明会で感じた違和感について。内容的に、イラストレーター志望の若い方の参考になると思ったので、質問者のかたに了解を得て、ブログでもシェアすることにしました!

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目次

Q:「”萌え系”アニメや漫画系のイラストしか需要がない」と言い切る学校に入るべきでしょうか?

こちらがDさんからのご質問です。

この前オープンキャンパスで行ったイラスト学校の先生が「いまの時代は、いわゆる”萌え系”アニメや漫画系のイラストしか需要がない」といわれ、リアル系の絵を描く私はびっくりしました。

その先生がいうには「リアル系のイラストはアーティストとしては活躍できるかもしれないが、商品としての需要はない。リアル系の絵は写真を撮ればいいから」とのことですがこれについてゲンキさんはどう思いますか?
私は巷にあふれるイラストはアニメ系や漫画系ばかりではないと思いますし、先生(現グラフィックデザイナー)も、仕事を通して長年イラストレーターと関わってきた分、業界のことはよくご存知だと思ったのですが…。いまの世の中はアニメ系や漫画系しか商品として成り立たないのでしょうか?
ゲンキさんのブログを読む限りそんなことは一切書いてなくて安心したのですが。需要はないと言い切られてはたしてこの学校に入学してもいいのだろうかといまもやもやしています

お忙しいとは存じますがアドバイスいただけたら幸いです。

A:入らない方が良いと思いますよ。なぜなら…

この前オープンキャンパスで行った美術学校の先生が「いまの時代は、いわゆる”萌え系”アニメや漫画系のイラストしか需要がない」といわれ、リアル系の絵を描く私はびっくりしました。

その先生がいうには「リアル系のイラストはアーティストとしては活躍できるかもしれないが、商品としての需要はない。リアル系の絵は写真を撮ればいいから」とのことですがこれについてゲンキさんはどう思いますか?

これはコンテクストにもよりますが、「需要がない」ということはないです。
リアル系にも色々ありますが、たとえばイラストレーターはのサイトウユウスケさんは、リアルタッチで大活躍されています。
http://www.saitoh-yusuke.com

他にもリアルなイラストで活躍されている人はたくさんいますよね。
金子ナンペイさんとか。

私は巷にあふれるイラストはアニメ系や漫画系ばかりではないと思いますし、先生(現グラフィックデザイナー)も、仕事を通して長年イラストレーターと関わってきた分、業界のことはよくご存知だと思ったのですが…。

そのとおりです。先生の悪口を言うつもりはありませんが、その先生が本気で言っているとしたら、そんな感覚だからこそ、本職のデザイナー業だけで食うに困って、食い扶持を得るために教職もしているのでは?と思ってしまいます。

あるいは、デザイナーでもごく限られた業界の仕事しかしないので、その業界の事情しか知らない人も中にはいるので、その類いかもしれませんし、本当はそんなことないと分かっているけど、学校の方針としてアニメ・マンガ系を推し進めるために、他の方向性を希望する生徒の意思を摘みたいのかもしれません。

いまの世の中はアニメ系や漫画系しか商品として成り立たないのでしょうか

そんなことは全くありません。
しかし、このご相談を読んで思ったのは、この学校は、フリーランスのイラストレーターを育てる気はなく、制作会社等への就職を前提にして職能としてのイラストを教えたいのかもしれません。
その場合は、たしかにアニメ系・マンガ系が強いかもしれません(ただ、就職できても高給は望めず、ブラック労働を強いられる可能性が高いですが)。

ちなみに、フリーランスのイラストレーターになる方法は、僕のブログや、現在連載中のマンガ、『ライフハックで行こう!』で描いているので、そちらを参考にしてください。

需要はないと言い切られてはたしてこの学校に入学してもいいのだろうかといまもやもやしています。

そうですねえ〜… 入学しない方がいいかもしれませんw(本気で)。
僕も絵の学校はいっさい行かずにイラストレーターになりましたし、イラストレーターになれる人は、学校に行かなくてもなれるし、なれない人は学校に行っても絶対になれないと思っています。その辺もブログの過去記事に書きましたが…。ちょうど最近のマンガでもそんなこと描いてますね。

ものすごく時間とお金が有り余ってるわけでは無いとしたら、学校なんて行かないで、その時間とお金で世界を旅しながら絵を描きまくったり、MacBook ProかiMacを買う方が、よっぽどイラストレーターになれる気がします。そもそも学校に通わないと専門知識が学べなかったのは20世紀までの話ですから。

付け加えるなら、先生が言う需要というのは、既に誰かが用意してくれている椅子の取り合いみたいなもので、たしかに、そういう椅子取りゲームにはアニメ系は有利なのかもしれませんが、僕の考えとしてはそもそも過当競争の椅子取りゲームなんてしないで、自分でマーケットを作ってしまえば良いんです。例えば「あなたのイラストに需要はない」と言われたとしたら、逆にそのタッチが浸透している市場がまだ存在していないということなので、それを自分で開拓すればブルーオーシャン…というワケです(僕がやってきたビジネスは、割とそういう感じです)。

そんなところでしょうか。

質問者のDさんからのお返事

ゲンキさんのブログも読んですっかり目が覚めました。もう入学する気はさらさらなくなりました。自分でだせるほどの学費でもゲンキさんが仰る通り時間もお金ももっと他に有効なことにまわすべきだと思いました。「自分でマーケットを作る」というのをできたらすごくいいだろうなっておもいます。

お忙しい中、相談に乗っていただきありがとうございました。

よかったです!

Dさん、ご質問とブログへの掲載許可、ありがとうございました!

ご質問お待ちしております!

今後もご質問お待ちしております!(お問い合わせはこちらから!→コンタクトフォーム


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コメント

コメント一覧 (2件)

  • これは日本のイラスト学校の事を仰っているのでしょうか?でしたら想像のできる先生からの意見ですが、ヨーロッパだとリアリズムのある絵の方がほとんどの著作物に使われている気がします。

    でももしかしたらもうちょい「萌え」か「アニメ」系のイラストを欲している方もヨーロッパにいるかもしれませんね。日本はどうか分からないけど自分は「萌え」にせよ「アニメ」系にせよ個性のあるイラストレーターの方が需要があると思うし自分も見たいです。

  • ヒロ

    コメントありがとう。あ、これは日本の学校の話です。

    個性が無いイラストの需要もありますよ。例えば僕のイラストは駆け出しの頃「個性が無さ過ぎるからダメだ」とさんざん言われましたが、結果としてはそういう匿名的なタッチを必要としている媒体もたくさんあったので、むしろ同期の個性的なイラストレーターよりも楽に仕事を見つけることができました。

    何れにしても、個性がある方が良いというのは賛成だけど、学校が方向性を決めて煽動してしまっては無個性化が助長されるだけですよね。萌えを描きたい人が萌えを描いて、リアルタッチを描きたい人はリアルに描くのが個性ですから。

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