こんにちは。現在4歳半の息子の育児に日々奮闘中の高田ゲンキ( genki119)です。
1年前、我が家の育児に革命が起きました。それは息子のYouTube断ちです。
YouTube依存状態だった息子(当時3歳半)が一年前にYouTube断ちに成功し、その後全くYouTubeを見ずに過ごしたところ一年間でどのような変化が起きたのかをお伝えしたいと思います。
- 子どもにYouTubeをやめさせたい
- 子どもがYouTubeをやめたらどんな効果があるのか知りたい
- そもそもYouTubeって本当に子どもに悪影響なの?と疑問に感じている
最初にお伝えしておくと、これはあくまで我が家の一例であり、子どもや親の性格や適性等の個人差によってメリット/デメリットや効果の大きさは異なります。その点をご理解の上、一つのサンプルとしてお読みください。
YouTubeは子どもに悪影響なのか?
最初にYouTubeは子どもに悪影響なのか?という問題について触れておきます(ただしこれは個人差もあるので、あくまで僕が自分の息子に起きた変化を見て感じたひとつの個人見解です)。
息子の場合は、完全にYouTubeは悪影響でした。
(⬇2歳10ヶ月の頃、YouTubeを見る息子を描いた絵)
3歳前半までYouTubeドップリだった息子は下記のような問題を抱えていました。
- 運動が苦手
- 外出が嫌い
- 食が細く発育も遅め
- 言葉が遅め
- 社交性が低め
- 絵や字もあまり書きたがらない
- 絵本も好きではない …等々
ところが、YouTubeを断って数ヶ月で、上記のような問題のほとんどが改善または解消されてしまいました。
「では、もしYouTubeを見続けていたらどうだったのか?」という検証はもちろん不可能なので絶対ということは言えませんが、実感としてはYouTubeの影響を感じないわけには行きません。
というわけで、特に上記のような傾向のお子さんをお持ちの方には、この記事は参考になると思います(逆に、YouTubeは見るけどそれほど長時間ではないし、運動も食事も友達と遊ぶのも大好き!という子は、無理にYouTubeを制限したり断つ必要は無いかもしれません)。
子どものYouTube断ちには「ストーリー性」が大事
我が家のYouTube断ち、きっかけは予想もしなかった意外な出来事でした。
⬇その出来事を記したその日のツイートがこちらです。我が家では「モグラ事件」と呼んでいます。
僕としては「原っぱに行ったら、ちょっと探すフリだけして返してあげよう」と思っていたのですが、息子はもともと出不精な上に寝起きで機嫌が悪く「(原っぱに行くのは)やだ」と予想外の返事をしたので、僕が咄嗟の機転でそのままモグラがiPadを持って遠くに逃げてしまったというストーリーを作って翌日話したところ、息子は悲しみながらもその現実を受け入れたのでした。
また、息子はiPadでしかYouTubeを見たことが無かったので、両親のMacでもYouTubeが観れることは知りませんでした。そういういくつかの偶然的な要因も重なり、図らずもこの日から息子はYouTubeを観なくなったのでした。
YouTube断ち後の禁断症状はかなり強かった
YouTubeの依存性は、それはそれは強いものです。それはYouTube断ちをしてから数カ月間の息子の言動からも痛いほど実感できました。
最初の頃は毎日のように、数ヶ月経っても数日に一度は「YouTube見たい!」「モグラに返してもらいたい!」とグズることがあり、「〜な動画観たよね?あれ、楽しかったね」と数ヶ月前の動画の記憶を鮮明に思い出して聞かせてくれたりもしたからです。
その都度胸が痛み「少しだけ観せてあげたい」という気もしましたが、息子に起こりつつある良い変化を維持させたい一心で心を鬼にして「モグラが持ってっちゃったからねえ…。ごめんね」とギューッと抱きしめて、慰めながら一生懸命に息子と一緒に代わりになる楽しみを探しました(この作業も息子にとって非常に良かったと後になって感じました)。
モグラの話は完全に思いつきでしたが、こうして親子で同じ「モグラがYouTubeを盗んでいってしまった」というストーリーを共有してそれについて繰り返し話すことが、結果的に息子のYouTube断ちを成功させてくれたと感じています。
YouTube断ちの結果①:運動や外出が好きになった
そんな経緯でYouTube断ちをした息子に起きた変化を挙げてみます(本当はもっとありますが、覚えている限り書いてみます)
まず、運動が好きになりました。
それまではずーっと家にいてYouTube観たり、YouTube観ない時間も室内で遊ぶのが好きな子でしたが、YouTubeをやめたことで外の世界への関心が強くなって徐々に自分から「お外に行こう!」「お散歩に行こう!」と言ってくれるようになりました。
そして、外を歩いたり公園で遊ぶことを通して体力や筋力が増して疲れにくくなったり精神的な自信がつき、それがまた外出へのモチベーションになり…という好循環が生まれたように感じます。
最も驚いたのは、YouTubeを断って1ヶ月ほど断った頃に、突然「自転車に乗りたい!」と言い出したことです。実はその1年ほど前にストライダーのようなペダル無しの足漕ぎ自転車を買ってあげていたのですが「お外で乗るのは恐いからヤダ」と言って家の中でホコリを被っていたのです。
(⬇買ってあげた日のツイート)
半信半疑で外に出したところ、自分からまたがってどこまでも走りました。そして、その日から毎日自発的に乗るようになり、保育園も自転車登園をするようになりました。そして約半年後の4歳の誕生日には「プレゼントにペダル付きの自転車がほしい!」と言い出し(もちろん喜んで買ってあげました)、与えたところすぐにペダルをクルクル回して乗ってくれたのです。
この変化は僕ら両親だけでなく、保育園の先生も感じたようで一緒に喜んだり驚いたりしてくれました(そういう理解者が近くにいるのも育児の心の支えになっています)。
YouTube断ちの結果②:食欲が増した
食が細く、いわゆる「食べない子」だった息子でしたが、YouTubeを断ってから運動が好きになったおかげでお腹が空きやすくなり、徐々によく食べるようになりました。
(⬇息子が2歳だった頃のツイート)
一年経った今でも食べムラはありますが、それでも以前と比べると信じられないほどよく食べるようになり、時にはこちらが心配になるくらいの量のご飯を食べるようにまでなって見違えるようです。
それは当然身長や体重の変化にも現れ、この一年の身体的な成長は今までにないレベルです。
お子さんの食が細くて発育の遅さに悩んでいるご両親、もしお子さんがYouTubeばかり観ているとしたら、いきなり断つのが難しくても時間を減らすだけでも数週間〜数ヶ月で大きな変化が現れる可能性は大きいと思いますよ
YouTube断ちの結果③:トイトレが一気に進んだ!
3歳児育児の大きな難関と言えばトイトレ(トイレトレーニング)。
このトイトレもYouTube断ちをしたあとに一気に進みました。
これに関しては複数の理由が絡み合っている気がしますが、何よりYouTubeをボーッと観ている間に無意識におしっこやうんちをしてしまうという状況が無くなったことが大きいです。
それから、これは後述しますがYouTube断ちをしたことで絵本にとても関心を持ってくれるようになり、トイトレの本を楽しんで読んでくれたことも大きな要因でした。
⬇こちらのトイトレ絵本、オススメです。
YouTube断ちの結果④:会話が飛躍的に上手くなった
3歳半の時点で息子はすでにそれなりに会話ができましたが、YouTube断ち以降は眼を見張るスピードで会話力が伸びました。
これに関してはYouTubeを観る時間が長く言語学習がインプットに偏っていた状態から、アウトプットする状態に移ったということでもあるので、YouTubeでのインプットも無駄では無かったのかもしれないと感じています(ただ、そのまま観続けていたらアウトプットのきっかけが失われたままで会話能力が伸びなかった可能性が高いので、やはり恐ろしいですが…)。
ドイツ語力も飛躍的に成長
なお、我が家はドイツ・ベルリンで育児をしているので、保育園での言語はすべてドイツ語ですが、ドイツ語に関してもYouTube断ちをしてから飛躍的に成長しました。
ドイツ語に慣れるためにドイツ語の動画を見せたりもしていましたが、家での言語環境が日本語のせいもあってYouTubeのおすすめ動画も日本語ばかり。結果的にドイツ語力アップにYouTubeは役立ちませんでした。
しかし、YouTube断ちをしてから、なぜか保育園でドイツ語も積極的に話すようになり、1年経った今ではかつてが嘘のようにドイツ語を堂々と話しています。これは運動や外出が好きになった理由と同様で、YouTubeをやめたことで外の世界への関心が強くなり積極的に他人と関わろうという意欲が本人に湧いたことが大きな要因だと感じています。
僕自身の外国語学習を通しても感じることですが、言語習得(特にリスニングとスピーキング)は動画などを見るよりも、現地の環境に関心を持って直接人と関わる方がはるかに上達が速いようです。
社交的になった
YouTube断ちをして、息子は以前に比べて非常に社交的になりました。もともと明るい性格ではありましたが、対人的なストレスが無くなった分以前にも増して楽しそうに見えます。
これは単純に言語力の部分で自信がついたことが大きな要因可と思いますが、いずれにしても幼少期に社交面で苦手意識を持たずに済んだことは成育上とても良かったと感じています。
YouTube断ちの結果⑤:絵本が大好きになった
また、YouTube断ちをしてしばらくすると、息子は急激に絵本が好きになりました。
YouTubeを観ていた頃は絵本を退屈に感じてあまり関心を示さなかった息子でしたが、YouTubeの代替コンテンツとして絵本の読み聞かせをしたところ次第に絵本の面白さに気づき始めて、2〜3ヶ月経った頃には絵本が大好きになりました。
YouTubeと比べて絵本が良いところは、何と言っても親子で触れ合う時間が増えることです。僕か妻が読んでやり、分からない言葉があれば息子が中断して質問して親が教えて分かったらまた先に進む…という感じで、内容を確かめながら一緒に読み進められるのが何とも幸せです。
内容の面白さもさることながら、そうやって大好きなママパパとコミュニケーションを取りながら楽しめる部分が息子は好きなのかもしれません。
そしてもう一つ嬉しいのは、自分が幼少期に読んで気に入っていた絵本を息子と一緒に楽しめるということです。そういうわけで、日本のAmazonから大量に自分が好きな絵本を海外発送してもらいました。送料はかなり高くつきますが、息子が絵本を楽しんでくれるなら全く惜しいとは思いませんでした。
絵本は親の時間が取られる
絵本のデメリットは一つだけ「親の時間が取られる」ということです。YouTubeならシッター代わりに見せっぱなしにしておいて親は仕事や家事をすることができますが、絵本は基本的に親が読まないといけないのでそれができません。
しかし、それは親の事情。親の側が育児に少しでも子どもとの時間をかけられる環境を作れる努力をするのが先であるべきだな…と感じました(実際は色々と難しいですけど)。
また、そういう意味では我が家は夫婦ともにフリーランスでふたりとも在宅で仕事をしているからこそこういった対応が可能だったとも言えます。またフリーランスに限らず最近はコロナの影響で在宅勤務の方も増えていると思うので、それを子どものYouTube断ちの好機と捉えて絵本や親子の時間にシフトしていくのも良いと思います。
フリーランス的な働き方に関心ある方は是非僕の著書、『フリーランスの教科書 1年生』を読んでくださいね!
YouTubeの代替にオーディブルも活躍!
どうしても時間がなくて絵本を読めない時、Amazonのオーディオブックサービス、オーディブルも活用しています。
オーディブルはプロのナレーターが朗読した本をアプリで聴けるサービスですが、実は子ども向けのコンテンツも非常に充実しています。
(⬇たとえばこういうものです)
YouTubeと比べると映像が無いぶん刺激が少なく最初は集中力が途切れやすいですが、それでも子ども部屋で流しておくといつのまにか遊ぶ手を止めて聞き入っている時が増えました。そして、聞いて覚えた言葉を会話でも使うようになってくれたので、これは良かったと思っています。
オーディブルの場合はYouTubeと違って視力低下の心配も無いのが安心ですね
エコードットを活用
ちなみにオーディブルはスマホやタブレットで再生が可能ですが、我が家の場合はYouTube断ちとiPad断ちが同時だったのでスマホやタブレットで見せることを避ける必要がありました(iOSの画面を見れば、連鎖反応でYouTubeを観たがってしまう可能性が高かったので)。
そこで我が家が導入したのがAmazonのEcho Dot(エコードット)です。
(⬇我が家が愛用しているモデルは、この
これを部屋に置いて「アレクサ、〇〇して」とお願いするだけでお話を再生したり音楽を流してくれるので、息子も大喜びでした。
YouTube断ちの結果⑥:読み書きをするようになった
驚いたことに、YouTube断ちしてから息子は急に文字に興味を持ち始めました。
(⬇YouTube断ちしてから半月後のツイート)
これは明らかに絵本の好影響です。
YouTubeにも文字は表示されますが、一瞬表示されてはすぐに消えたり変わったりしてしまうので全く文字が定着しませんでした。その点絵本は静止画なので、理解するまで見続けられます。この違いは想像以上に大きいようでした。
最初に文字に関心を持ち始めたのは『ぐりとぐら』で、「ぐ」という文字がふたつあることを発見して「これはなんていう字?」と聞いてきたことでした。
そこからは教えなくてもどんどん覚えて、今ではひらがなとカタカナは完璧に読み書きができ(一部鏡文字になりますが…)、さらに漢字も少しは読み書きできるし、アルファベットも完全に読み書きできるようになりました。
もしYouTubeを観続けていたら、この成長は絶対に無かっただろうと確信しています。
(⬇YouTube断ちから10ヶ月後、自分でどんどん文字も書くように)
ホチキスで綴じてあげたら、自分で絵も文も書いて絵本作ってた。絵は蚊がお尻にチクッと刺してるところです。#息子画廊 pic.twitter.com/6XTNK1SAX2
— 高田ゲンキ/『フリーランスの教科書 1年生』発売中 (@Genki119) March 28, 2021
YouTube断ちの結果⑦:絵もめちゃくちゃ上手くなった
ところで、僕の息子は絵がとても上手です。その事を話すと、良く「さすがイラストレーターの子どもだね」と言われますが(ちなみに僕も妻もイラストレーターです)、実は息子が積極的に絵を描き始めたのもYouTube断ちをしてからでした。それまでは、紙と鉛筆を持たせても全然やる気が起きないようで、何も描いてくれませんでした。
ところがYouTube断ちをしてから徐々に自分で絵を描くことに関心を持ち始め、半年経った頃には信じられないほど上手な絵を描いて見せてくれるようになりました。
(⬇YouTube断ちから半年ほど経った頃のツイート)
ちなみに息子は最近メキメキと絵が上手くなってます。
左の絵は昔の地球(まだ大陸が集まってて、隕石が落ちてきている)。右は自画像だそうです。
3歳でこんなに絵が描けると思わなかったので、日々感動してます。さすがパパの子だ〜😭 pic.twitter.com/8lIFuEatUL
— 高田ゲンキ/『フリーランスの教科書 1年生』発売中 (@Genki119) November 8, 2020
YouTubeは完全に受動的な快楽ですが、それを断たれたことで息子の中に自分で能動的に作り出す楽しさに気づいたのだと思います。
その後も息子の絵は日に日に上達しています。息子が描く絵はTwitterで #息子画廊 というハッシュタグでたまに投稿しているので、良かったら見てくださいね。
YouTube断ちの結果⑧:歌がめちゃくちゃ上手くなった
息子、YouTube断ちして歌も飛躍的に上手くなりました。
これも絵と同様に能動的な楽しさを見出したことが大きな要因だと思います。
歌の素質はもしかしたらもともとあったのかもしれませんが、それを発するモチベーションはYouTube断ちによる環境の変化が無ければ持てなかった可能性が大きいと感じています。
(⬇YouTube断ちから2ヶ月経った頃の息子の歌)
僕のウクレレ伴奏に合わせて、息子(3歳7ヶ月)が『夕焼け小焼け』をじょうずに歌ってくれたので(そして、その録音に成功したので)、良かったら聴いてください。一部歌詞が「おててをつないで…」と間違ってますが、こっちの方が好きなのであえて指摘していません😆 ご了承ください。 pic.twitter.com/YCSRA3RMV2
— 高田ゲンキ/『フリーランスの教科書 1年生』発売中 (@Genki119) July 2, 2020
まとめ
読んでいただいてお分かりいただけたと思いますが、我が家におけるYouTube断ちの効果は本当にすごいものがありました。もちろん効果は個人差があるはずですし、仕事等や育児の環境的な事情で完全にやめることが難しいご家庭も多いと思いますが、そういった場合でも時間を決めて視聴時間を制限するなどされる価値はあると思います。
実際、Twitterでこうした投稿をしたところ、追随してYouTube断ちを敢行した方が数人いましたが、いずれの方からも大きな変化を感じたと報告をいただきました。
以上、3歳だった息子が1年間YouTube断ちして起きた変化についてでした。子どものYouTube依存にモヤモヤしてる親御さんの参考に少しでもなれば嬉しいです🤓
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