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今日もベルリンで気ままにノマド中の高田ゲンキ( genki119)です。
今日はベルリンで最も有名なノマドカフェ“St.Oberholz(ザンクト・オーバーホルツ)”で仕事してます。ここはベルリン中のデジタルノマドが集まる場所で、常時80〜100人ほどのお客さんが所せましとラップトップ(90%がMacBook)を広げて何かしらの仕事をしています(プログラマーやデザイナーが多い)。たまに家から出てこういう刺激的な環境で仕事を出来るのもフリーランサーの特権だと思います。
実際、僕は2004年2月にイラストレーターとして独立してから11年以上フリーランサーとして活動をしていますが、このワークスタイルが非常に肌に合っていて気に入っています。そういうこともあって、(一定レベル以上のスキルを持っている)友人などから「フリーランサーになろうか会社に勤めようか迷ってる」という相談を受けると無条件にフリーランサーの道を勧めているわけですが、今日はその理由について書いてみたいと思います。
① 好きなことを仕事にできる
まずは何と言ってもこれでしょう! フリーランスは好きなことを仕事にできます。僕の場合は「イラストレーター」という肩書きで仕事をしていますが、イラストだけに特化して仕事をしたい場合、会社員として働くのはほぼ不可能です。会社員のイラストレーターも中にはいますが、イラストレーター全体の割合としては1%未満だと思います。つまり、たとえばイラストレーターを志望する場合は、ほぼフリーランサーになる以外の選択肢はないわけです。
また僕個人の考えとしては、イラストレーターとして働く以上、会社員よりフリーランスの方が断然楽しいと思ってます。というのも、フリーランスの場合は受ける仕事をすべて自分で決定できるので、自分が好きな種類のイラストの仕事ができるからです。その点、会社員としての場合は、会社の意向に従って、指示された通りのイラストを描かなくてはいけないので、媒体やモチーフだけでなく、時にはタッチさえも自分の思うままに描くことを許されません。
イラストレーターに限らず、会社員として働くのが難しい職種はフリーランスとして働くことで実現するケースが多いと言えます。たとえば、最近増えている「プロブロガー」と呼ばれる人たちが良い例ですが、ブログを書くことで生計を立てることは会社員というスタイルでは(副業を除いて)まず不可能ですが、フリーランサーとして自分とその家族が生活できる分を稼ぐなら、人によっては実現可能になるのです。
他にも自分が好きな分野を極めて、例えばカレーが好きな人は「カレー評論家」になる…等々、バリエーションは無限にあります(もちろん、それで生計が立つかどうかは別問題ですが)。とにかく好きなものを仕事にしたい場合、フリーランスとして独立するのは最良の手段である場合が多いのです。
イヤな仕事は断れる
フリーランスのもうひとつの良いところは、逆に「イヤな仕事は断ることもできる」ということです。先ほどの「会社員としてイラストレーターをする場合」と少し近い話ですが、会社員としてイラストレーターをする場合は、まかされた仕事の内容が自分に向かないからと言って、自分の判断で断ることはまず不可能です。そういう環境は僕のようにストレス耐性の無い人間にとっては非常に辛いわけです。そういう意味でもフリーランスという、フレキシブルに仕事を選べるスタイルはすばらしいと思います(もちろん好きな分野の仕事だけで食えれば…の話ですが)。
② 好きな時間に仕事ができる
これは僕のように「毎日決まった時間に同じことをするのがものすごく嫌いな人」には非常に重要です。
僕は小学生のころから(っていうか幼稚園児のころから)、毎日同じ時間に起きて同じ時間に登校するのが何より苦痛で、そのころから「平日の昼間から外をぶらぶらするために漫画家になりたい」と本気で思ってました(そんなことを言うと漫画家の人に怒られそうですが、他人に拘束されず行動の自由が学生や会社員よりあるのは事実だと思います)。逆に、僕ほど“毎日決まった時間に行動をすること”が苦手な人はそんなに多くはないと思いますが、しかし夏休みなどのあの“何にも縛られず自分の意志でランダムに行動できる自由”は誰にとっても開放感を感じるものだと思います。「その開放感が一生続く人生ってどう思う?」と聞かれて、わくわくする人はフリーランス向き。不安を感じる人は会社員向きと言えるかもしれません。
好きな時に休める
“好きな時に働ける”ということは同時に“好きな時に休める”ということでもあります。これも僕にとって非常に重要で、たとえば極端な例で言うと4ヶ月間で1年分稼げたら残り8ヶ月は働かずに暮らしても良いわけです。もちろん仕事の受注量までは完全には調整できませんが、僕の場合、集中して2〜3ヶ月働いたあとに半月〜1ヶ月間の休みを取り、その間に新しいスキルを勉強したり旅行したりることもあるのですが、そういうスタイルは会社員ではなかなか難しいと思います。
また、僕のように家で仕事をしていると“好きな時に昼寝ができる”というメリットもあります。夕方、ちょっと眠い時に20〜30分寝るだけで脳が休まって、その後の作業効率が格段に良くなります。最近は積極的に短時間の昼寝を推奨する会社も出てきていますが、その点において自宅で仕事をするフリーランスを超えるワークスタイルは無いでしょう。
③ 好きな場所で仕事ができる
当然フリーランスはオフィスに出社する必要がないので、商品(僕の場合はイラストのデータ)さえ期日までに納品できれば、どこで仕事をしてもOKです。そういうわけで僕は今ベルリンで生活をしながら、東京のクライアントとも仕事をしています。フリーランスの良いところは、自分で住むロケーションを決定できる上に、期限も自分で設定できるわけです(その点、会社員の駐在などはロケーションも帰国のタイミングも決定できない)。
また、日々の生活の中でも(今日の僕のように)カフェで仕事をしたり、車の中や山の上や川のほとりで仕事をすることもできます。旅行中のホテルでもちょっとした仕事なら普通にできてしまうので、仕事のスケジュールをそれほど気にせずに旅の予定を入れられるのもすてきです。
④ 働いた分だけ稼げる
また、多くの場合フリーランスは“納品した商品の単価と数”に応じて売り上げが決定されるので、働けば働くほど稼ぐことができます。
時給のアルバイトとは違う
「働いた分だけ稼げる」という話をすると、揚げ足取りのように「それってコンビニの時給アルバイトだって一緒じゃない?」という人がたまにいますが、当然違います。一般的なアルバイトの場合は、たしかにお給料は働いた時間に比例しますが、“何時間働くか”を自分で決めることができません。その点、フリーランサーは理論上は一日最大24時間働くことができます。また、生産性をアップさせることで売り上げを伸ばすことができるのもフリーランサーの強みです。
たとえば僕の場合、10年前と同額のイラストカットの仕事を今でも引き受けたりしますが、10年の間に仕上げる時間が5分の1くらいにスピードアップしているので、時間あたりのギャラは相対的に5倍になるわけです(実際その分たくさん仕事をうけて5倍稼げたりする)。
⑤ 経験がそのままスキルアップにつながる
これは①の「好きなことを仕事にできる」に続いて2番目に重要かもしれません。前述した仕事のスピードとも通じることですが、フリーで仕事をしている限り、自分が仕事を通して(時には仕事以外でも)経験したことがダイレクトにスキルアップにつながります。僕の場合、やはり10年間の経験の中でイラストのクオリティも作成速度も飛躍的に向上したので、5年前、10年前ではできなかった仕事や描けなかった絵に日々チャレンジできる喜びがあります。
また、たとえば開発者などの業界ではよく聞く話ですが、開発者として優れいている人ほど早く出世して開発と関係ない管理職に昇進してしまい、40代のころには最新のプログラミング言語にまったくキャッチアップできなくなってしまうケースがあります(その結果、転職や独立をしにくくなる)。これは本人のスキルアップの問題だけでなく業界全体の生産力の損失と言えると思うのですが、その点フリーランサーは一生現役で専門性を磨いていけるので、一生スキルアップしていけるという素晴らしいメリットがあります。
⑥ 大(フリー)は小(会社員)を兼ねる
これはちょっと乱暴な言い方になりますが、フリーランスとしてやっていけるスキルを持っている人は、多くの場合(本人さえ望めば)会社員に転向することも比較的容易ですが、会社員として長年仕事をした人が突然フリーランスを志望してもなかなか独立が難しいケースが多いと言えます。
これが、僕が冒頭に書いた「フリーか会社員か悩んでいる人に、迷わずフリーランサーを勧める理由」です。なので、専門性の強い職種で働きたい場合、まずはフリーとして通用するレベルでのスキルや業務のマネジメントをひとりでできるようになることを優先して考えて、結果的に会社員の方が向いていればその後考えるのが、順番として正しいと思っています。
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