最近読んだ本を紹介します。
あらすじをネタバレにならない程度に紹介すると…
急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。創薬化学を専攻する大学院生・古賀研人は、その不可解な遺書を手掛かりに、隠されていた私設実験室に辿り着く。ウイルス学者だった父は、そこで何を研究しようとしていたのか。同じ頃、特殊部隊出身の傭兵、ジョナサン・イエーガーは、難病に冒された息子の治療費を稼ぐため、ある極秘の依頼を引き受けた。暗殺任務と思しき詳細不明の作戦。事前に明かされたのは、「人類全体に奉仕する仕事」ということだけだった。イエーガーは暗殺チームの一員となり、戦争状態にあるコンゴのジャングル地帯に潜入するが…。
(Amazonより引用)
日本・アメリカ・コンゴ(アフリカ)という一見全く関係ない場所を舞台に繰り広げられるストーリーが、読み進めるうちに次第にシンクロしていくスピード感は圧巻。けっこう分厚い本ですが、つづきが気になって一気に読み終えてしまいました。
そもそも、僕がどうやってこの本を知ったかと言うと、J-WAVEで土曜日に放送しているBOOK BARという番組内で、パーソナリティの大倉眞一郎さんが紹介されていて、「面白い本を読みたい人は即読むべし、読むべし、読むべし!」とのことだったので、大倉さんほどの人がそこまで勧める本なら読むしか無い…と思ったわけです(ちなみに、関西に居る僕がどうしてJ-WAVEを聴けるのかと言うと、気に入った番組だけを神奈川に居る妹に録音してもらって、そのデータを送ってもらっているのです。ありがたや…)。それで、翌日買い物のついでに梅田に新しくできた三省堂書店に行ったところ一冊だけ置いてあったんですが、偶然にもこの『ジェノサイド』だけが著者のサイン本! 特にサイン本とかにありがたさを感じるタイプではないのですが、これには何か運命めいたものを感じて、僭越ながら買わせていただきました。
で、感想は上記の通り素晴らしく、小説としてはもしかしたら若い日に村上春樹氏や村上龍氏の作品を読んだ時以来の感動というか共感みたいな清々しい気持ちを味わうことができました(作風はまったく違いますが)。なんと言ってもスケール感が圧倒的ですが、それだけではなく綿密な取材に裏付けられた細やかな描写にも舌を巻きます。それもそのはずで、BOOK BARで大倉さんが言っていましたが、著者の高野和明氏は、20歳の時にこのストーリーを考え、一度執筆に着手するも壮大過ぎるスケールを持て余して挫折。その後、淡々と構想を練り直して7年前に再着手して、45歳になられる今年、ようやく発表…。つまり、構想18年・制作7年という、これまた壮大な時間の中で著された物語なのです。
この本で高野和明氏の ファンになってしまったので、今後は氏の他の作品も読みたいと思います。
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