こんにちは。イラストレーターの高田ゲンキ( genki119)です。
今回はイラストを仕事にする方法について書いていきます。
イラストを仕事にする方法というのは、つまり「イラストを売る方法」です。イラストレーターになる方法ということもできるかもしれませんが、厳密には今回の内容は副業でイラストを売る方も対象に含まれるので、あえてイラストを仕事にするという書き方にしました。
- イラストレーターになりたい
- 副業としてイラストで稼ぎたい
- フリーランスとして活動したい
ほぼ同様の内容を動画でも説明していますので、動画でご覧になりたい方はこちらからどうぞ!👇
① 企業案件
イラストレーターの稼ぎ方として最もメジャーなのが、この企業案件です。
企業案件とは、その言葉の通り企業相手に依頼されたイラストを制作・納品して対価を得る形態のビジネスです。
具体的にはどんな企業から仕事をもらう?
企業案件でクライアント(依頼主)なる企業の代表的な例は
- 出版社
- 広告代理店
- 制作会社
- デザイン事務所
- その他(イベント会社など)
等です。
クライアントの探しかた・営業方法
こうした企業からどのように案件をもらうかというと、基本的には
- 自分でクライアントになり得る企業を探し
- そこに自分で営業をかける(売り込みをする)
…をするだけです。
営業先の探し方① 同業者の取引先をリサーチする
営業先を探す方法は色々とありますが、ここでふたつ紹介します。
ひとつ目は、すでに活躍している同業者(イラストレーター)がどのような企業と仕事をしているかリサーチをするという方法です。
どのようにリサーチするかというと、イラストレーターはほとんどの場合自分のホームページを持っており、多くの場合はそこで仕事の報告をしたり、作品に「〇〇(媒体名)掲載」などと説明をつけるので、そういった情報を手がかりに自分のイラストを使ってもらえそうな企業や媒体を洗い出して行くのです。
僕のイラストHPにも過去の仕事やクライアントを載せていますので、絵柄が似ている方は是非参考にご覧ください。
こうした営業先の探し方の裏ワザは、⬇こちらのnote記事(有料・1000円)に惜しみなく書いていますので、知りたい方は是非お買い求め下さい(出し惜しみではなく、こうした公開記事では書けないほどぶっちゃけた内容なのです)。
営業の方法
営業先が見つかったら、次は実際に営業します。順序としては…
- 営業ツール(ポートフォリオ・名刺・自分のHP)を準備する
- 営業先に電話かメールで連絡をする
- 会ってもらえる場合は訪問する
- 会えない場合はメールでポートフォリオかHPのアドレスを担当者に送る
- あとは仕事を待つ
…というような流れになります。
ポートフォリオに関しては、⬇こちらで僕の駆け出しの頃の営業用ポートフォリオを売っているので、参考にしたい方はお買い求め下さい(500円)。
また、具体的な営業の段取りに関しては機会があれば別の記事にまとめようと思いますが、急ぎ知りたい方は僕の著書『世界一やさしい フリーランスの教科書 1年生』に詳しく記載していますので、そちらを是非ご参考にしてください。
クラウドソーシング
企業案件を取るための手段のひとつに、クラウドソーシングを利用するという方法もあります。
クラウドソーシングとは、企業がインターネット上で不特定多数に業務を発注するビジネスマッチングサービスです。
⬇クラウドソーシングの代表格は、この2社です。
登録はどちらも無料なので、まずは登録してどのような案件があるか見てみると良いでしょう。また、クラウドソーシングはどうしても低単価案件が多いので、駆け出しの時に限って使い、実績が増えた時点で営業して直接案件にシフトするのが良い方法だと思います。
エージェント
また、エージェントに登録して、そこから仕事をもらうイラストレーターもいます。
エージェントとは、簡単に言えばイラストレーターに代わって企業からの案件を獲得してくれる会社で、イラストレーターは営業することなく案件を得られますが、その代わりに発生する料金の一部をエージェントにマージンとして払います(正確には、マージンが引かれた料金がエージェントからイラストレーターに払われます)。
⬇イラストレーターエージェントの代表格のひとつ、アスタリスクのHP
ただ、エージェントに登録するには厳しい審査がありしっかりとした実績が必要なので、経験値の低いイラストレーターが最初からエージェントに登録することはできません。いつかエージェントに登録できるように、まずは自身で営業などをして実績を積んでいきましょう。
企業案件のメリットとデメリット
- 単価が高い
- 継続案件をもらえる可能性が高い
- 自分の信頼性を高められる
- クライアントを見つける(案件を得る)のが大変
- 営業してから案件発生まで時間がかかることが多い
- 締切がタイトだったりスケジュールの融通がきかないことが多い
- 納品してから支払いまでのスパンが長い
- 万が一ミスをした場合、最悪のケースだと多額の損害賠償を請求されることもある
世の中のイラストレーター(イラストで生計を立てている人)のほとんどが、大別するとこの企業案件で稼いでいると言えます。企業案件と言っても様々なので、自分のイラストの作風に合った分野を見つけて、営業活動などを通して案件を発注してもらえるようにすると良いでしょう。
② 個人案件
個人案件は個人を相手にイラストを売るビジネスの形態です。
前提として、ひと昔前よりSNSの発達によりイラストを個人に売るのは簡単になりましたが、個人がクライアントの案件は単価や継続性が低いので、イラストレーターとして生計を立てている人のほとんどが企業案件をメインにしているということを覚えておいて下さい。
具体的にどんな依頼?
では、個人からの依頼とは具体的にどのようなものかというと…
- 似顔絵
- SNSのプロフィールイラスト/ヘッダーイラスト
- 結婚式のウェルカムボード
- 自費出版の書籍用イラスト
- イラストレーター自身のグッズ販売
…というような感じです。何となくイメージできたのではないでしょうか。
どうやって個人案件の仕事を見つけるか
SNS
主流なのは、TwitterやインスタなどのSNSで絵をシェアして、それを見てくれた人からの発注を受けるスタイルです。基本的にSNS投稿だけで完結するので直接営業など必要ない分メンタル的な負担はありませんが、一定以上の売上を出すとなるとかなりのフォロワー数や影響力が必要になるので、総合的に見ると企業案件よりも難易度は高いかもしれません(最終的には本人の適性次第なので、絶対にどちらかが大変とは一概に言い切れませんが)。
ココナラなど
もうひとつの手段は、ココナラなどのサイトを利用して個人売買をする方法です。一定のマージンは差し引かれますが、こちらの方がSNSだけで仕事を取るよりは成約率が高いと言えます。
個人案件のメリットとデメリット
- 比較的、案件獲得のハードルが低い
- 発注者と直接やり取りできる(ただしこれはデメリットにもなり得る)
- 万が一ミスをしても、大きな損害賠償などに発展するケースはほとんど無い
- 単価は低いことが多い
- 継続案件を得るのが難しい
- 意外と揉め事が多い(依頼主が発注に慣れてなかったり著作権等の知識が乏しいため)
- 実績として評価されないことが多い
ただ、そもそも論ですが、個人案件をやるにしても、発注する側(クライアント)からすると企業案件の実績もあるようなイラストレーターにお願いしたいと思うのは、ある意味当然です。
また、「企業案件を受けるほどの画力やスキルが無いから個人案件にしよう」という考え方は、個人の発注者に対して失礼でもあります。
以上のことを考えると、特殊な理由がない限りは企業案件獲得を優先して考えて、個人案件はその次に考えるほうが理にかなっていると言えます。
③ ストックイラスト
ストックイラストって何?
ストックイラストとは、自分のイラストを販売サイトに登録して、ユーザーが購入した際にその一部をマージンとして販売サイトから支払ってもらう形態のイラストビジネスです。
企業案件や個人案件と比較すると一点のイラストの単価は低いですが、クオリティの高いイラストを大量に登録すればその分たくさん売れる可能性があるので、場合によっては企業案件以上に稼げる可能性もあります。
僕の周りにもストックだけでものすごく稼いでいるイラストレーターもいます。もちろんそのレベルになれる人は一握りですし、センスと努力と継続が必要ですが、非常に可能性を感じる分野でもあります。
代表的なストックイラスト
いくつかストックイラストサイトの代表的なものをご紹介します。ストックをやってみたい!という方は、まずは⬇のリンクから登録してみましょう(登録は無料でできます)。
Adobe Stock
クリエイターなら知らない人はいないAdobe社が運営するストックサイト。審査は厳し目ですが、特に海外も視野に入れてストックをやる方はここは絶対に押さえておきましょう。
PIXTA(ピクスタ)
日本国内最大手のストックサイト。PIXTAもストックやるなら絶対に登録しておくべきサイトです。
⬇こちらのリンクからPIXTAに登録すると、招待特典で5.00USドル分のクーポンを獲得できます。ぜひ、ご活用下さい!
Shutterstock
ShutterstockはAdobe Stockと並んで世界的にユーザーの多いストックサイトです。ただ、近年料率が下がったので、離れているクリエイターも増加中。とはいえ大手なので押さえておくべきでしょう。
他にもいろいろなストックがありますが、とりあえず最初はこの3つをおすすめします!
ストックイラストのメリットとデメリット
- 自分のペースでできる
- 営業しなくて良い
- 軌道に乗れば不労所得的に稼げる
- ストックサイトから企業案件につながることもある(間接的な営業になる)
- 一点あたりの単価は非常に低い
- コンスタントに売れるようになるまでかなりの枚数を描く必要がある(時間がかかる/効率は悪い)
- 価格や料率はサービス提供側が決めるので、突然収益が低下することもある
- それなりに審査が厳しいので、描いたものが全部販売できるわけではない
特にデメリットの3番目の提供側の判断で料率等が変わるというのはクリエイター側には深刻なデメリットです(実際に、過去にそういった事がありました)。なので、ストックをやる場合は、複数のサービスを利用してリスクを分散したり、ストックだけでなく他のビジネススタイルと併せて進めるのがオススメです。
ストックイラストに関しては、情報が煩雑で日々変化もするので、後日別記事に詳しくまとめたいと思います。
④ その他
展示
個展やグループ展などの展示を利用する方法もあります。
ただ、昨今では展示はあまりメジャーな方法ではありませんし、ギャラリーなどで展示をする場合はギャラリー代や展示の準備にかかる費用も高額になるので、たいていの場合は赤字になってしまいます。
逆に、お店などでイラストを常設展示してもらえて、売れた場合にマージンを支払ってもらう等のスタイルであれば元手は必要ないので、ギャラリーでの展示よりはハードルが低いと言えます。
いずれにしても展示だけで生活を賄うだけの売上を出すことは至難の業なので、展示はその先のビジネスに繋げる戦略を立てた上で、あくまでプロモーションの手段と捉えるのが良いでしょう。
NFT
ここ数年盛り上がりを見せている全く新しい形態のビジネスがNFT(Non-Fungible Token)です。
僕自身はまだ参入しておらず注視している状態ですが、日本国内よりもアメリカ本国での盛り上がりが非常にアツいので、特に海外に向けてイラストを発信していきたい方は、是非チェックしてみて下さい!
とはいえ、NFTも成功しているのは実社会ですでに実績があったり知名度があるクリエイターばかりなので、いきなりNFTに参入するよりも、企業案件等で着実に実績を積んで社会的信用を築くことに注力する方が、長い目で見れば成功への近道かもしれません。
NFTのメリットとデメリット
- 今からでもまだまだ先駆者になれる
- 市場にマッチすれば大金を稼げる可能性もある
- 自分の作家性で勝負できる
- 始めるのに初期費用がかかる
- 今後、急速に市場が縮小する可能性もある
- NFT自体を否定的に見る人も一定数いるので、そういう層からの信頼を失う可能性はある
- 一見うまい話で、飛びついたら詐欺だった…という話がものすごく多い
NFTは取引に仮想通貨を使い、それに関連した誤情報や詐欺事例も多く聞きますので、
その点はよくご注意ください
広義では展示もNFTも個人案件のひとつで、売り方が違うだけという見方もできます。いずれにしても重要なのはスキルとセンスであり、その上で初めて売り方が問われるので、まずは自分のイラストの商品価値を高めていきましょう。
まとめ
以上、イラストを仕事にする方法を簡単にまとめてみました。
イラストで稼ぎたいけど、どうしたら良いかわからない…という方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
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