イラストレーターがブログをやるべき6つの理由【WordPress|SEO|営業|出版|クリエイター】

高田ゲンキ 高田元樹 髙田元樹 ドイツ・ベルリン在住のフリーランス イラストレーター/漫画家。『フリーランスで行こう!』『フリーランスの教科書 1年生』の著者。ドイツ/EU圏永住権保有者 Genki Takata Takada たかたげんき たかだげんき ブログ  OGP Genki Wi-Fi ゲンキワイファイ

前回の記事につづき、今回は「イラストレーターがブログを運営するべき理由」について書きたいと思います。


目次

① 本業のプロモーションになる

なんと言ってもこれ! イラストレーターである以上、たくさんの人の存在を知ってもらい、自分のイラストを見てもらって受注につなげる必要があります。特に近年は編集者やデザイナー、ディレクターといった「イラストを発注する側の人たち」は、ほとんどの場合ネットを使ってイラストレーターを探すので、同じレベル(画力・価格等)のイラストレーターが複数いたら「Google等の検索結果で上位に来やすい(つまりSEOに優れいている)イラストレーター」が有利であることは間違いありません。そういう意味ではイラストレーションを並べてあるギャラリー的なウェブサイトだけ持っていても競争力はあげにくく、ブログとウェブサイトの連動をすることで相乗効果を得やすくなります。また、ブログがシェアされたりバズったりすることで、いままで自分の存在を知らなかった人にも認知してもらえ、受注のチャンスも増えます。実際、僕もブログを始めてからブログ経由での受注や相談が増えました。

SEO業者は使うべからず

SEOが大切と書きましたが、いわゆるSEO業者を使うのはNGです。それより、イラストレーターに限らずフリーランサーは今後、自分自身でSEOを改善していくスキルが必要になるので(というか、既になっているので)、どのようにウェブサイトやブログを運営すればアクセスを増やせるのか、いろいろ調べたり経験して知識をつけるべきでしょう。そこさえ自分でできれば、高いお金を払って「イラストレーター登録サイト」や「イラストレーター・ポートフォリオ」的なものに登録する必要もなくなります(そういったサイトよりSEOの高いブログやサイトを運営してしまえば良いだけの話なので)。

②異業種の仲間ができる

イラストレーターがブログをする上でおススメなのが「イラスト以外のトピックも盛り込んだブログ」です。わりと多く見かけるのが「イラストレーターとしての活動やイラストの仕事についての話題しかブログに書かないイラストレーター」ですが、もっと自分の関心のあることをどんどん盛り込むことで、他の業種の人にも関心を持ってもらうことができます。

僕の場合

たとえば僕の場合、ブログのネタとして取り扱うトピックは、イラストMacITスタートアップ音楽旅行(国内/海外)・人生論マンガ…と多岐にわたっていますが、あえてそれらをひとつのブログにまとめることで、全体を通して僕という人間の全体像も見えやすいし、たまたま複数の共通した関心事を持つ人からは親近感を持ってもらいやすく、また、Macに関心がある人が僕のブログを通して音楽や自転車にも関心を持つ…というハブ的な役割にもなるのです。

ビジネスとしての利点

すべて打算でアウトプットしているわけではありませんが、イラストレーターは異業種の人とつながる方がビジネス上のメリットを多く得られるので、色々な分野のトピックを発信するのは有用です。たとえば僕の場合はITに関心が強いのでMacやスタートアップの記事を多く書きますが、それによってプログラマーやライターや起業家の人たちとつながる機会が得られ、仕事のチャンスだけでなく、人生そのものが刺激に満ちたものになっています。

トピックごとにブログを分けるべからず

ちなみにこういう話をすると必ず「トピックごとにブログを分けて、複数のブログを運営する方が分かりやすくていいのではないか?」という意見が出ますが、経験則からこれはおすすめしません。ただ、もちろん読者にとって分かりやすいデザインや動線をブログの中に作る努力は必要になりますが、これもUIとかUXの勉強になりますし、その辺の知識は今後はイラストレーターにも必須なので、やっておいて損は無いでしょう。

③自分の文章に自分でイラスト(挿絵)を描ける

これは僕が試験的にブログの中でやっていることですが、自分でブログの中では、自由に記事を書き、その内容に合わせた挿絵イラストを描くことができます。当たり前のことですが、これはイラストレーターにとってかなり有用な実験とプロモーションの場になると思っています。

いままでと違うタッチや分野のイラストに挑戦できる

普段のイラストの仕事で描いている分野やタッチと違うものに挑戦したいとき、ブログは非常に有効です。かつてはそういう場合は個展をやるべきと言われたものですが、いまやブログの方が効果的&経済的です。

たとえば、ふだんファッション系のイラストを描いているイラストレーターが今後の展開として政治の分野でも描きたい場合、自分で政治ネタのブログを描いてそこに挿絵やトビラ(ヘッダー)のイラストを描いてしまえば良いのです(もちろんその際に「イラストのお仕事募集!」という一言も添えて)。もちろん記事をアップするだけではなかなか人の目に触れないので意味がありませんが、前述のSEO対策をすることで政治的なトピックを扱うメディア関係者(雑誌・新聞・書籍の編集者やテレビ局・テレビ番組制作会社の人)の目に止まってイラストの依頼が来るかもしれません。

たとえば、僕の過去のこの記事では、ちょっと「インフォグラフィックスっぽいタッチ」を意識してヘッダーのイラストを描いてみました(インフォグラフィックスのお仕事、お待ちしています!)。

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ライターの仕事も来るかもしれない

あるいは、そういった文章を書く中でイラストだけでなく文才も認められ、ライターとしての仕事も来るかもしれません。個人的には、これからは専業ではなく複業(副業ではない)の時代だと確信しているので、自分の仕事の窓口を決めつけずに複数持つべきだと思っており、そういう意味では文章を書けるイラストレーターは文章も仕事にした方がいいと考えています(というわけで、文章のお仕事もお待ちしています)。

④ブロガーとして稼ぐこともできる

前項の「複業にすべき」という点とかぶりますが、真剣にブログを運営すると、ブログ上の広告から収入が入るようになります。最近ではプロブロガーと呼ばれる人たちも増えており、彼らはブログからの収入だけで生計を立ててしまいます。プロブロガーの草分けとして最も有名なのはイケダハヤトさん(現在は高知に移住されて田舎生活を満喫中)ですが、先ほど記事をご紹介したおのださんもプロブロガーのひとりで、ブログの収益で生計を立てつつ海外生活を満喫されています。その方面に詳しくない人からするとピンと来ないかもしれませんが、彼らが個人ブログから稼ぎだす収入は驚くべき金額です。

もちろんそのレベルまで行くのは並大抵の労力+センスではありませんが、イラストレーターの仕事の傍ら運営するブログでもいくらかの収入を得ることは可能です。イラストレーターの仕事というのは不安定なもので絵がいくらうまくても時代や市場のニーズにマッチしないと(あるいはマッチしていてもマーケティングがうまくいかないと)充分な発注を得られないことも多くあります。

よく同業者から「イラストだけでは食えないから(コンビニとかで)バイトしてる」という話を聞いたものでしたが、長期的に見るとバイトよりブログ運営の方が建設的とさえ言えます。

ブログ運営する上でイラストのスキルは強力!

逆にブログを運営する上で、記事に合ったイラストを自分で描けてしまうスキルはかなり強力です。実際、アルファブロガーの中にはイラストを持ち味にしている人も多くいます。ちょっと紹介すると…

⬇Macブロガーの代表選手 ゆこびんのブログ「もっと知りたいリンゴあれこれ」

⬇ブログ「ヨッセンス」を運営されているプロブロガー ヨスさんもイラストが上手いブロガーのひとり

もちろんゆこびんもヨスさんもブロガーとしてのコンテンツ力や文章力が秀逸であることが前提となっていますが、その上で彼らのイラストやデザインがブログを個性的なものにしているのは疑う余地がありません。なので、プロとしてイラストレーターをしている人が自身のブログでそのスキルを活かさないのはもったいないとしか言いようが無いのです。

⑤ブロガーと友達になれる

さて、自分でそれなりに真剣にブログを運営すると、自然とアルファブロガーに敬意を抱いたり関心を持つようになるもので、ある意味で直接お会いできると芸能人や役者に会うよりよっぽど嬉しい場合さえあったりするのですが、多くの場合ブロガーはブロガーに対して関心を持ちやすいので、自分がブログをやっていると逆に関心を持ってくれて友達になりやすいというメリットがあります。イラストレーターがブロガーとつながるのはビジネス上のメリットも多いと思っています。

今後はイラストレーターがブロガーにイラストを提供する時代になる

これは僕の持論ですが、今後はプロブロガーのブログにイラストレーターがイラストを提供する時代になると思っています。周知の通り、昨今は出版不況と言われており、次々と雑誌が廃刊になったり出版社が倒産しており、出版業界からのイラストのオーダー数や金額も減る一方です。それと伴ってイラストレーターも稼ぎにくい時代になった…という声をよく聞きますが、僕はそれは全く間違っていると考えます。イラストレーターは、出版業界がダメなら他の成長産業にイラストの需要を見つければ良いのです。そして、そのひとつが「ブログ産業」だと思っています。これからは出版社に売り込むようにブロガーにもイラストを売り込む時代になるはずで、その際に自分自身もブロガーであるということは大きなメリットだと思っています。

もちろん、ビジネスとしてではなく、ブロガーは面白い人たちが多いので(情報発信し続ける人たちなので、常に新しい情報や経験をインプットしているので)、つながることによって様々な刺激を得られます。

⑥続けていると出版の可能性も

ブログで継続して文章やイラストやマンガ等を発信すると、そこから書籍化の話に展開することも多くあります。

これは先ほどの出版不況の話と矛盾するように感じるかもしれませんが、むしろ出版不況だからこそこのような流れが多いのです。つまり、ブログを通して既に読者が多くついているコンテンツは書籍にしても一定の売り上げが見通せるので企画として通りやすく、実際に書籍化してヒットするケースも多いのです。

僕の「マンガ版・僕の半生」も、ちょっぴりそんな下心を抱きつつ描いています(…と書いていたら、本当に⬇漫画書籍を出版することができました!!)

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ブログを運営する上での注意点

このようにイラストレーターとしての可能性を広げるためのブログ運営をするにあたって注意する点がいくつかありますが、長くなってきたので、それは近々別の記事で書こうと思います(→書きました⬇)。

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まとめ

以上、イラストレーターがブログを運営するべき理由を書いてきました。もっとたくさんあるんですけど、とりあえずサクッと6つだけ挙げてみました。

こうして見ると改めて「イラストレーターは絶対ブログやるべき」と思います。本当は「イラストレーターになるにはシリーズ」のひとつとして「イラストレーターになりたければブログをやるべし!」みたいなタイトルも考えましたが、やらなくてもなれる人はなれるし、やってもなれないひとはなれないので(笑)、やめました。今回はどちらかというと、すでにイラストレーターとして活動している人のプロモーションや活動展開としての意味合いが強かったと思います。

というわけで、「ブログやろうかな…」と思ってるイラストレーターは是非始めてみてください!

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