こんにちは。高田ゲンキ( genki119)です。
フリーランス入門書『フリーランスの教科書 1年生』の著者です。
日々、フリーランスについて発信をしたり、フリーランスの漫画書籍を出していたりすると、割と頻繁にこんな批判をいただきます。
フリーランス、フリーランスって言うけど、皆がフリーランスになれば良いってもんじゃないぞ。会社員や公務員がいるから社会が成り立ってることを分かってるのか?
もう、本当にこういう主旨の批判が多いのですが、それに対する僕の回答は、
重々承知しております
です。
その上でさらに真面目に回答すると、僕がフリーランスに関する情報を発信している理由はふたつあります。
- 適性的にフリーランスになったほうが生きやすいはずなのに、フリーランスという働き方の選択肢を知らない人に、一人でも多くこのワークスタイルを知ってもらうため。
- 誰もがフリーランスになるべきとは思わないけど、誰もが万が一必要に迫られた時に備えてフリーランスになれるスキルは持っておくべきと考えているため
今回は、この⬆⬆⬆ふたつめの理由⬆⬆⬆についてお話ししたいと思います。
なぜ、すべての人が「フリーランスになれるスキル」を持つべきか
改めて説明すると、僕はすべての人が「フリーランスになろうと思えばいつでもなれるスキル」を持っておくべきと考えています。
なぜかというと、
「フリーランスになれるスキル」を持つ人は、
自分の人生をコントロールしやすくなるから
です。
「すべての人」とは?
すべての人という言葉をもう少し具体的にすると、大学生以上の全ての人と考えてもらえればいいと思います。高校生以下はスキルがあってもフリーランスとして働くこと自体が難しいですし、そもそもそういった職能的なスキルよりももっと本質的な知識(学校の勉強だけでなく、本を読んだり映画を見たり、色んな経験をしたり…)を蓄える時期でもあるので対象外です。
以下、実例を挙げて、その理由を説明していきます。
ケース① 大学生がスキルを持てば就活から解放される
順不同ですが、先の説明で「大学生以上の…」と書いたので、大学生のケースから説明します。
大学生といえば就職活動が過酷です。この就活、なぜ過酷かというと、スキルも経験も無い大学生が、まったく即戦力にならないことを前提に、うやうやしく頭を下げて「雇ってください」と数十社(場合によっては数百社)にお願いし続ける活動だからです。もう20年以上前から、この新卒一括採用システムは完全にレッドオーシャン化しているので、ごく一部の超一流大学の学生を除いては苦戦を強いられる可能性が非常に高い上に、そういった状況ゆえに会社や部署を選べる立場ではないので、大学で4年間学んだ専攻とは全く関係の無い企業や部署に配属されてしまい、なんとか就職が決まっても、その先ずっとやりがいを感じられない仕事をせざるを得ない人が多いのも実情です。
問題の根源は新卒一括採用という日本独自のシステムが時代に合ってないことですが、このシステムの改善に期待しても、何十年かかるか分かりません。
では視点を変えて、もし大学生側が在学中にフリーランスとして通用する何かしらのスキルを磨き続けていたとしたらどうでしょうか。そうすると、ずいぶん状況が変わると思います。
そもそも、大学生は在学中からビジネスを始めることも可能なので、バイトなどしないでフリーランスとして仕事をすることができますし、そのビジネスが上手く行ってしまえば、卒業後もそのまま事業を継続・拡大すればいいだけなので、就職活動などする必要もありません。
あるいは、入りたい企業がある場合は、新卒枠を利用して就職活動をするのもいいと思いますが、運悪く採用に至らなくても、「仕方ない、フリーランスやるか…」で済むので、食い扶持に困るという事がありません。
もちろん在学中にそれだけのスキルをつけるのは簡単ではありません。しかし、ある意味人生で最も時間が自由になる時間でもある大学在学中に自分が没頭できる事を見つけて、そのスキルを極めるのは、とても合理的な生き方だと言えます。
ケース② 会社員がスキルを持てば、会社と対等の立場になれる
よくフリーランスとの対比に使われる会社員。実際、労働者のかなりの割合を占める訳ですが、どうしても被雇用者として立場が弱い事が多いのが実態です(なので、ブラック労働やサービス残業などが減りませんね)。
では、なぜ多くの会社員は立場が弱いのか? それは、駆け引きの切り札になるスキルを持っていない人がほとんどだからなのです。
特に日本の企業の多くは、分業が進んでいる上に、職務がその企業内でしか通用しない物であることが多いので、例えば
- 待遇が悪い
- 上司と合わない
- 労働環境の悪化
などの改善を会社に強気に伝えられなかったり、転職や独立に踏み切れない人が多いのです。
なので、そういったケースに備えて、会社員をしながらいつでもフリーランスになれるスキルを身につけておくことで、「万が一会社から不当な扱いを受けても、いざとなれば自分はスキルを活かしてフリーランスになれば食っていける」と思えるので、会社に対しても毅然と交渉できるし、条件が合わなければ本当に独立してフリーランスになることもできるのです。
個人的には、実際にフリーランスをやっている人よりも、このフリーランスになれるスキルを持ちつつ会社員をしている人が最強だと思っています。
ケース③ 専業主婦がスキルを持てば
また、僕は専業主婦 こそスキルを持つべきだと考えています。正確には、結婚(あるいは出産)までに女性は何かしらフリーランスとして稼げるスキルを身につけておくべきという感じです(というのも、実際に専業主婦になったり母親になったあとにイチから何かしらの専門スキルを身につけるのは非常に難しいので)。
育児しながら自分のペースで仕事ができる
僕も一児の父として育児をしていますが、周囲を見ると、多くの育児中の女性がそれまであった社会との接点が失われ、生き甲斐を失って鬱っぽくなってしまっています。ネットの発達により、完全に社会から断絶されることは少なくなったものの、人はやはり労働を通して社会と関わり、自分の力でお金を稼いでこそ生き甲斐を感じられるもので、そういった意味では、育児中というのは本当に孤独で辛いものなのです。
しかし、たとえばイラストやデザイン、またはライティング(記事執筆)や翻訳、更にはプログラミングやwebなどの在宅でパソコン一台で仕事ができるスキルを身につけておくことで、実際に今僕がしているように育児をしながら、無理のない範囲で仕事をすることが可能なのです(と言いつつ、けっこう無理してますが・笑)。
夫に依存しないで済むので、いざという時に離婚できる
また、これはややセンシティブな話ですが、結婚して子どもが出来たからといって、その先の夫婦関係がずっと良好とは限りません。実際、僕のまわりも離婚している人がかなりの数います。そして、離婚できればまだ良い方で、幸せでない状態であるにも関わらず、経済的に自立できないという理由で離婚すらできずに、暴力やストレスの多い環境で耐えている女性も多くいます。
そういう女性たちが前述のようなスキルをもし持っていれば、不当な状況下で耐え続ける必要などなく、自立して自分の稼ぎで子どもを育てることだって(簡単ではないにせよ)できるのに…と、もどかしい気持ちになることが多いのです。
まとめ
以上、3つのケースを挙げて、すべての人がフリーランスになろうと思えばいつでもなれるスキルを持っておくべき理由について説明してみました。
- フリーランスってなに?その働き方とは?
- フリーランスになる準備
- フリーランスになったらすること
- 実際の仕事の進め方
フリーランスのスキルと言うと、フリーランスになりたい人にしか必要ないものと思われがちですが、実はそうでない人にとっても非常に強い味方になってくれるものであるという事を理解してもらえたら嬉しいです。そういうスキルが、あなたの人生を飛躍的に自由にしてくれるからです。
コメント
コメント一覧 (2件)
息子の就職がなかなか決まらず、暗中模索していた所、フリーランスになりたいと私に伝えて来ました。
初めは親として躊躇しましたが、息子の人生は親の物ではないと考え、微力ながら背中を押すことにしました。
高田さんの本を指標に頑張るようなので、都度、ブログの更新をよろしくお願いします。
コメント、ありがとうございます。息子さんのフリーランスとしての進路を応援されるとのこと、素晴らしいと思います。
とにかく業種を明確にしてITスキルを高めることが最初の段階としては大事だと思います。
その上で私の『世界一やさしい フリーランスの教科書 1年生』を参考にしていただければ可能性は広がると思います。
フリーランスとして通用するスキルをつければ、将来的にもし就職をする際にも有利になります(失うのは新卒採用枠だけですが、これは今の時代それほど大きな損失ではないと私は考えております)。
ブログの更新も頑張っていきたいと思います。応援しております。