こんにちは。高田ゲンキ( genki119)です。
今回は、お正月にちなんだ過去のマンガを公開したいと思います。
このマンガ、『フリーランスで行こう!』の元となったwebメディアThinkITでの連載エピソードでしたが、ThinkITの方では『フリーランスで行こう!』発売時に閲覧不可になってしまい、本エピソードは書籍にも未収録なので、改めてこちらに掲載しようと思うに至りました。
よく「どうしてフリーランスになったのか?」と聞かれますが、その大きな理由のひとつは、16年前(まだ会社員だった頃)のお正月の祖父とのやり取りにあったんです。
それでは、どうぞご覧ください!
祖父はなぜ僕に収入額を聞いたのか?
最初に補足しておきたいのは、祖父は収入額で人の価値を決めるような人では決してなかったということです。では、この時どうして言葉を失くすほどショックを受けたかというと、それは特に距離が近く仲が良かった孫の僕に特別な期待があったからです。マンガでも説明したとおり、祖父は大手建設会社で土木建築の第一人者として活躍した、言わば「誰もが認める仕事のできる人」でしたが、そのキャリアはエリート街道まっしぐらというわけではなく、かなり泥臭く努力した結果だったそうです。そして、祖父は僕に対して何か近いものを感じており、同じように這い上がって成功して欲しいという強い期待を抱いていたので、僕が会社員になったという話を聞いて「きっと能力を認められて、たくさん給料をもらっているに違いない」と思い、収入額を聞くに至ったのだと思います。
結果としてこの時、僕は祖父の期待に応えられる状態ではなく、がっかりさせてしまったわけですが、その自分の不甲斐なさがその後の独立やキャリア形成のモチベーションになったので、前回の話と同様、いやむしろそれ以上に、この時の祖父の質問に感謝しています。
“誰かの期待に応えるために行動をする”のは正しいことか
ところで、今回の話のように“誰かの期待に応えるために行動をする”のは正しいことかというと、それは必ずしもそうでもないと思っています。では、この時の僕がどうして祖父の期待に応えたいと思ったかというと、それは勿論祖父のことが大好きだったからということもありますが、それだけでなく下記のような理由もありました。
- 僕自身も当時の状況に満足していなかったから
- 祖父が僕がやりたい分野で成功することを望んでくれていたから
- そして、祖父は僕が小さい頃から僕が絵やマンガを描くことを応援してくれていたから
マンガの2ページ目にも描きましたが、祖父は定年後も毎日家で仕事をしており(定年後も相談役として会社に残り、現役の頃と変わらず仕事をこなしていたそうです)、そのため祖父の部屋には製図のためにたくさんの画材やコピー機などがあったのですが、漫画家を目指していた僕を理解してくれた祖父は、小学生だった僕にその画材やコピー機を惜しげもなく自由に使わせてくれたのでした。また、知的好奇心旺盛な祖父は、部屋に百科事典等の書物をたくさん持っており、僕はいつもそういう書物で見たものを絵に描いたものでした。もし祖父が僕に「土木設計士になって欲しい」という期待を抱いていたら、いくら大好きな祖父の期待でも僕は応える努力さえしなかったと思います(努力をしてもなれなかったでしょうし…)。幼い頃から僕のことを理解して応援してくれた祖父の期待だったからこそ、僕は何とか応えたいと思ったのです。
親の期待に応えずに好きなことをするには?
本題からは少し外れますが、僕のマンガやブログの若い読者から相談を受けると「親の期待に応えたいけど、自分がやりたいことと親が望んでいる事が違って困っている」というような悩みを抱えている人が多いのですが、こういうケースに関しては基本的に僕は「親の期待など気にせずに、裏切っても良いから好きなことを思い切りやるべき」というアドバイスをすることにしています。なぜなら、その期待には相手への理解や応援が含まれていないからです。理解や応援が含まれていない期待はただの押しつけに過ぎないので、応える努力をする必要はありません。もちろん、親からの期待を裏切って好きなことをするのは困難も多いはずです(僕も、親とは意見が会わない時期が若い頃に長かったので、そういう悩みは分かります)。しかし、実はたいていの親が心配しているのは「どの職業か」ではなく「いくら稼げるか」ということなので、頑張って自分がやりたい仕事で人並み以上に稼げるようになれば、ほとんどの親はそれ以上何も言わなくなります。つまり、親の期待には「職種」ではなく「収入額」で応えれば良く、「稼いでもないうちから、親に自分のやりたいことを応援してもらう」ことは諦めて「一日も早く、好きな仕事で身を立てて、親も認めざるをえない状況を作る」ことを目標に頑張れば良いだけなのです。
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- 会社員時代にフリーランスになる決意した理由
- 会社を辞め独立してフリーランスイラストレーターなった時の事
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