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僕がイラストを仕事にするにあたって苦労したこと 【フリーランス|イラストレーター|方向性|個性】

イラストを仕事にするにあたって苦労したこと(独立当時の仕事場)

日々、クリエイター系フリーランスの志望者や駆け出しの人に向けて発信していますが、今回から2回に分けて、僕自身がイラストと漫画を仕事にするにあたって苦労したことについて書きたいと思います。もしかすると僕のその時の悩みと解決策は、今同じような壁にぶち当たっている若いフリーランスのヒントになるかもしれないからです。

 僕がイラストを仕事にするにあたって苦労したこと 【フリーランス|イラストレーター|方向性|個性】 イラストレーション フリーランス ゲンキ

  ちなみに、ヘッダーの写真は独立2年目の僕の部屋。中学時代から使っていた自宅の一室を、そのまま仕事場に使っていました。この家も今は取り壊されて存在しないので懐かしい写真です

全体を通して最も苦労したのは「方向性」だった

絵や音楽が得意だと、「そういう分かりやすい得意分野があって羨ましい」と言われることがよくあります。たしかに、多くの職業スキルに比べると絵や音楽はその適性を見分けやすいといえます。例えば生まれつきマーケティングのセンスを持っている人がいたとして、その人が自分のその才能に気づくのは、絵や音楽と比較するとだいぶ難しいと言えると思うのです。そういう意味では、幼少期から絵や音楽が得意で、しかも今実際に絵を仕事にできているという面に関しては、うらやまれるべき要素がいくらかあるのかもしれません。

しかし、そういった才能がもともとあるからといって、苦労せずにそれを仕事にできたわけではありません。世の中には、絵がものすごく上手くてもそれを仕事にできない人もいるし、逆に画力はたいしたこと無いのにあっさりと絵を仕事にできる人もいるわけです。実際、僕も音楽に関しては血の滲む努力をしたにも関わらずプロになれず挫折してますし、イラストの仕事は音楽に比べればうまくいったものの、その過程にもそれなりに苦労したことがありました。

僕が、イラストにも漫画にも共通して苦労したことを一言でいうと「方向性」です。画力はそこそこ十分だし、これ!と決めれば突き進む行動力もある。しかし、自分の画力を活かして、どのような方向性の作品を作ればよいのかが分からなかった時期が長く、この方向性が定まらないことには、突き進むこともできずに行動力も持て余して悩んだものでした。

 僕がイラストを仕事にするにあたって苦労したこと 【フリーランス|イラストレーター|方向性|個性】 イラストレーション フリーランス ゲンキ

  次の項目からは、方向性に関して具体的にどのように僕が苦労したのかを説明したいと思います

イラストの方向性で苦労したこと・その1

最初に苦労したのは、自分のイラストの「無個性さ」です。今もそういう傾向がありますが、僕が独立した2004年頃もイラストレーター界隈は「個性競争」みたいな感じの雰囲気で、少しでも自分らしいタッチを作って人の目に触れさせるほうが良い!という考えが蔓延していました。

ところが、僕のタッチはそれほど強い個性が無く、見た人がかならず「高田ゲンキさんのイラストだ」とわかるほどのオリジナリティがありません。これに対して「それではダメだ」と何度も言われたし、自分の中でもしだいにコンプレックスになっていきました。

これをどのように克服したかというと、考えても仕方ないのでとりあえず行動してみるという超単純な方法でした。具体的には、個性がないイラストをまとめてポートフォリオを作り、営業をたくさんしました。なぜなら、同業者や業界の先輩が「それじゃダメだ」と言ったとしても、実際に仕事をくれるのは彼らではなく企業の担当者さんだからです。だから、ひとりでも多くの出版社や広告代理店やデザイン会社の担当者にポートフォリオを見てもらって、本当に自分のイラストに需要がないのかどうかを確かめる方が良いと判断しました。

結果として、僕のイラストは自分が思った以上に需要がありました。企業に営業する際にヒヤリングする中で知ったのは、クリエイターが思っているほど企業側はイラストに個性を求めておらず、それよりも先方が読者や消費者やオーディエンスに伝えたい内容を的確に汲み取ってビジュアル化できるかどうかのほうが遥かに重要なのでした(そして、僕はその点をかなり評価してもらえた)。

結局、仕事としてイラストレーターをするということは、お金を稼ぐためにイラストを描くということです。そして、いくら無個性であっても(そして、それを同業者に批判されても)、クライアントから継続して仕事をもらえてしっかりと稼げればそれで良いわけです。というわけで、この悩みはこのように営業を通して結果を得られたことで解決しました。
(⬇その頃のポートフォリオは、こちらの記事で有料公開しています)

また、実は僕は無個性さに悩みつつも「むやみにオリジナリティを求めるべきではない」という真理がおぼろげながら見えていました。これはイラスト以前に音楽をやっていた時にも強く実感したことでもあったし、僕のイラストの師匠のイラストレーター大寺聡さんから言われたことでもあります。僕の言葉で表すと⬇こんな感じになります。

また、この経験を通して持てた「職人的イラストレーター」としての方向性に確信について書いたブログ記事⬇もあるので、よかったら読んでください。

 僕がイラストを仕事にするにあたって苦労したこと 【フリーランス|イラストレーター|方向性|個性】 イラストレーション フリーランス 続・イラストレーターになるには – 序章「イラストレーターは職人であれ!」【フリーランス】
こんにちは。イラストレーターの高田ゲンキ( genki119)です。 イラストレーターとして独立したばかりだった僕は、いろんな人に自分...

イラストの方向性で苦労したこと・その2

次にイラストの方向性で苦労したのは、独立して5年ほど経って仕事もかなり軌道に乗った頃でした。傍目に見れば順風満帆でしたが、自分の中では「このままで良いのか?」という気持ちが年々強くなり、来た依頼は受けるものの、自分から積極的に営業や発信をできなくなっていました。その理由は「こういう風になりたい!」という明確なビジョンが見えなかったから

単純にビジネスとして考えたら「大活躍してたくさん稼ぎたい」という希望は独立時から変わらないのですが、ここで言うビジョンとはもう少しクリエイター寄りの話です。わかりやすく言うと、「〇〇のイラストと言えば高田ゲンキさん!」と世間に周知されたい気持ちはあるものの、その〇〇が何なのかが自分でもハッキリ分からなかったのです。

当時の僕のクライアントというか活動の場は、主に教材(教科書とか〇〇小学生新聞とかベ○ッセや○研の小学校の図書室の対象図書とか語学雑誌など)のイラストや健康系メディアなどが中心で、それなりに良い仕事をもらえていました。しかし、「高田ゲンキのイラストと言えば、教材や健康系!」と言われるようになりたいか?というと、残念ながらそうでもなかったのです。なので、せっかく依頼してもらった案件にもなんとなく全力投球できず、だからといってその代わりになるような分野も見つけられず…というような状況だったわけです。

このトンネルは思った以上に長く、ずいぶん長いこと悩んでいました(あまりにウジウジしてるので、見兼ねた妻に「考えてばっかりいても仕方ないから、何でもいいから行動すれば?」と言われるほどw)。結局このジレンマは2年以上(2008〜2011)続きました。途中、趣味(バイク、自転車、ラジコン等)に熱中したりして、それが突破口になるかも?とも期待しましたが、それは失敗に終わりました(機会があれば、それについても別記事で描きたいと思います)。

で、結局この問題を解決した方法は…

① 視野をイラスト以外の分野に拡げて知見を得る
② 「仕事」に限定せず「生活」や「人生」単位で考える
③ 時代の変化や流れに敏感になる

…3つでした。
以下、ひとつずつ簡単に説明してみます。

① 視野をイラスト以外の分野に拡げて知見を得る

これはどういうことかと言うと、「どんなイラストを描きたいか?」と考えた時に、イラストについてだけ考えていても答えは出ないということです。そのモチーフとしてどんな物を描きたいのか?とか、どんなタッチで描きたいのか?と考えた時に、なるべく幅広い分野に関心を持って、自分が興味を持てる対象を増やす必要があると気づいたのです。

それで、いろんなメディアに触れて視野を拡げた結果、それまで自分では気づかなかったけど、僕は実はビジネス・IT・海外・スタートアップ・ノマド等に関心が高いということが分かってきました。

② 「仕事」に限定せず「生活」や「人生」単位で考える

それまで僕は、フリーランスイラストレーターという働き方を、単なる「稼ぐための仕事のひとつ」としてしか見ていませんでした。しかし、よくよく考えれば仕事というのは生活や人生の一部でしかなく、「どのように生きたいか?」という問いに対する答えが先にあるべきなのです。そして、そのビジョンから逆算した働き方こそが自分が望むワークスタイルであり、フリーランスという働き方は図らずもその柔軟性が非常に高いことに、この時僕は初めて気づきました。

③ 時代の変化や流れに敏感になる

僕が積極的にSNSなどで様々な情報にアンテナを張るようになったのもこの時期(2010-2011頃)だったのですが、この時期にTwitterなどで話題になっていたキーワードのひとつが「ノマド」でした。今でもアドレスホッパーという言葉が流行したりしていますが、当時のノマドというワードの影響力はそれを遥かに凌ぐ勢いで、急速に「移動しながら働けることの価値」が注目を集めていました。そして、もともと旅が好きだった僕も、この言葉の魅力に取り憑かれるようになります。

しかし、最初はイラストレーターがノマドをするのは不可能だと諦めていました。なぜなら、当時はまだパソコンが非力だったので、本格的にイラストレーターとして仕事をするためには大型のデスクトップマシン(当時のタワー型のMac ProやiMacなど)が必要だったからです。なので、ノマドという言葉が流行り始めた2010年頃は、移動しながら仕事ができるのはライターやプログラマーや一部のwebデザイナーたちの特権だと思っていました(プロブロガーという言葉さえ、まだ世に存在してなかった時代です)。

ところが、2010年前後を機にMacBook Proが大きく進化し、頑張ればなんとかこれ一台でもイラストの仕事を完結できるようになりました。また、時を同じくして、モバイルスキャナー等の小型デバイスも相次いで登場して、クリエイターがノマドをできる時代に突入したのです。
(⬇そのことは、過去に漫画でも描いています)

 僕がイラストを仕事にするにあたって苦労したこと 【フリーランス|イラストレーター|方向性|個性】 イラストレーション フリーランス

まとめ

そんなわけで、今回は僕がイラストを仕事にするにあたって(特にその方向性で)苦労したことについて書きました。次回は、僕が漫画を仕事にするにあたって苦労した話について書きたいと思います書きました!🤓

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