こんにちは。ベルリンで自転車ライフを満喫中の高田ゲンキ( genki119)です。
前回の記事で書いた通り、ヘルメットを買ってとても幸せなので、昨日はベルリンをサイクリングしてみました。
行き先はベルリンの東の果て、“Marzahn(マルツァーン)”という地域です。ベルリン市街地からは直線距離で15kmくらいの場所なのですが、行ったことの無い場所でした。ベルリンに住んでいても、このエリアのことを知らない人の方が多いのではないかとさえ思います。そんなMarzahnに興味を持ったのは、中村真人さんの『ベルリンガイドブック』のコラム欄をずいぶん前に読んだのがきっかけでした。
高層アパート群と風車のある村、マルツァーン
テレビ塔や戦勝記念塔など、ベルリンのビューポイントはいくつもあるが、ここで見える風景はそれらとはまったく異なる。標高112mながらベルリン最高峰のアーレンスフェルダー山(Ahrendfelder Berge)の坂を上ると、やがて全容を現すのはマルツァーンの団地の群れ。といっても、ただの団地ではない。70年代後半から形成された、東独最大規模の団地街なのである。その眺めは壮観で、無味乾燥どころかカラフルで見ていて飽きることがない。ここまで来たらぜひ寄りたいのがアルト・マルツァーン。13世紀に起源をもつマルツァーン発祥の地で、村の名残を留めているほか、丘の上には昔の風車が残っている。周りの高層マンションとのコントラストに新鮮な驚きを感じることだろう。
『ベルリンガイドブック』(中村真人 著)|P81「東の郊外に足を延ばして」
この中村さんの文章と写真にそこはかとない旅情をかき立てられて、いつか行ってみたい!とずっと思っていたのでした。
15時、フリードリヒスハイン地区を出発
この日は14時にヘアカットの予約を入れていたので、自転車に乗ってヘアサロンLINKのあるプレンツラウアー地区へ。
ヘアカットをしてもらいながら、オーナー斉藤さんと「やっぱり男は体鍛えないとね!」みたいなアスリート話で盛り上がって火がついてしまったので、お店を出たあと何となく家と反対の方に走り始め、フリードリヒスハインの公園を横切る時に「あ、この道まっすぐいくと、確かMarzahnにつながってたっけ」と思い出し、向かってみたのです。
15:30、マルツァーン地区に到着
30分ほど走ると、道路わきに「Marzahn」と書かれた標識を発見。片道15kmほどあるのでもっと時間がかかるかと思ってたのですが、思った以上に早く到着してしまいました。15kmの道のりを30分って…、平均時速30km/hってことなので、信号待ちとか地図見てる時間の分を考えると、自転車こいでる僕は時速何キロで走ってるんだろうか…。ヘルメット買ってマジよかったです。
Eastgateに行ってみた!
マルツァーンに行ったら、まず行ってみたかった場所があります。それは…
Eastgate(イーストゲート)! ものすごく変な形のデザインの巨大な建築です。その巨大さが写真で伝わるかどうか分かりませんが…。
中に入ると、ごくフツーのショッピングセンターですが(笑)
ここで食料と水を調達してサイクリングを続けます。
アルト・マルツァーンの風車
幹線道路沿いに走ると、とつぜん目の前に風車が現れました。
ここも気になっていた場所だったので記念撮影。門が閉まっていて風車の近くまでは行けませんでしたが、周囲は古い町並みが残っていてタイムスリップできました。
このアルト・マルツァーンについては、中村真人さんのブログ『ベルリン中央駅』に詳しいので、関心あるかたは是非読んでみてください。
ワンタッチで装着できる“リクセンカウル マッチパック”が超便利
ちなみに、僕の自転車の後ろについているバッグはリクセンカウルのマッチパックという商品で、容量が大きい上に重い荷物にも耐えられて、リュックなどを背負う必要がない上にワンタッチで着脱が可能なので、サイクリングや自転車での買い物がものすごくラクになります。2010年に日本で買いましたが、便利すぎて5年間愛用し続けています。
そして、アーレントフェルダー山(Ahrendfelder Berge)へ
アルト・マルツァーンをあとにして走った先はアーレントフェルダー山(Ahrendfelder Berge)。
ちょっと分かりにくいけど、道路沿いの門を入ると公園があって、その中にある道のうちの一本がなだらかな山道で山頂につながっています。
山道の勾配はそれほどきつくないのですが、山頂までの道のりが思ったより長かったので、ヒルクライムが久しぶりだったこともあってちょっと息が上がりました。
アーレントフェルダー山(Ahrendfelder Berge)の山頂からの眺め
ちょっとキツかったけどがんばって山頂まで行ってみると、期待以上の景色が広がっていました!
西側の眺め。ベルリン中心地が見えます。西日にかすんでるけど、西の果てのTeufelsbergまで見えました。
そして、山を境に東側には普段のベルリン市街地の生活では目にすることのできないのどかな田園風景が広がっていて、あまりの美しさに感動しました。
山頂で会った女性と世間話
しばらく一人で景色に見とれていると、ベビーカーを押して大型犬を連れた女性が歩いて山頂まで上ってきました。最後の展望台(というか、小高くなっているスペース)に登ろうとしている時に僕が「手伝おうか?」と声を掛けると(ドイツ語はまだまだとっさに出てこないので英語ですが…)、「大丈夫よ、ありがとう。それより今は何時かしら?」。それがきっかけで、そのドイツ人の若い母親と少し会話をしました。
「今は16時20分だよ。それよりその犬大きいね、何歳?」
「1歳半よ。大きいけど、まだ若いの。なでても良いけど恐がりだから近寄るかしら」
「ふーん。その赤ちゃん、女の子かな?その子は何歳?」
「えーと、11ヶ月ね」
「そっか。この辺に住んでるの?」
「昔はね。今は別の場所に住んでて、この近くに住んでる両親を訪ねてきたの。今はチューリンゲン地方のエアフルトって街の近くに住んでるのよ。子どものころはマルツァーンに住んでいて、その後18歳まではフリードリヒスハインに住んでたの」
「へえ。それでここに散歩に来たってわけ?」
「ここは待ち合わせ場所。友達とここで待ち合わせてるの」
「へえー! ずいぶん粋な待ち合わせ場所だね! なるほど、だからさっき僕に時間を聞いたんだ」
「あなたは学生?」
「ちがうよ。僕はアーティストビザで長期滞在しているフリーのイラストレーター。インターネットがあるからベルリンにいても日本の会社とも仕事できるんだよ」
「へえ、そんな働き方があるのね!」
「うん、面白いでしょ。さて、僕はそろそろ行かなくちゃ」
「どこまで帰るの?」
「僕が住んでるのはベルリンの中心地。君が昔住んでいたフリードリヒスハインにも近いよ」
「その自転車で帰るんでしょ? ここからどのくらい(時間が)かかるの?」
「来た時は30分とか40分くらいだったかな」
「え? それはいくらなんでも短すぎるわよ。何かの間違いだと思うけど」
「いや、ホントだって。このドイツ製の自転車はロードバイク並みに速いんだよ。いずれにしても、1時間もあれば充分すぎるはずだよ」
「へえ〜、そうなのね…(明らかに信じてない顔で)。とにかく気をつけて帰ってね!」
「ありがとう。君の友達も早く来るといいね。じゃあね!」
…そんな会話をしてから山を下りて帰途につきました。話してる時は何気なく自然に話していたんですけど、考えてみれば僕は35歳まで英会話が全くできず、オンライン英会話を毎日やることで(今でも続けてる)徐々に英会話スキルが身について、今日見たいに偶然出会った人ともこの程度のコミュニケーションならなんとか自然にできるようになったんだな〜…みたいなことをふと思って、ちょっと感動しました。まあ、もちろんそれでも僕の英語力はまだまだですし、ここはドイツなので来年の今頃までにはこのくらいの会話をドイツ語でできるようになっていたいと思いますが…。
帰り道、ためしに時間をはかってみたら、やっぱりフリードリヒスハインまでちょうど30分、アレクサンダープラッツまでは35分で到着することができました。Birdy、本当に良い自転車です!
まとめ
以上、マルツァーンサイクリングについて書いてみました。こんな長距離サイクリングは、昨年春に中村真人さんと一緒にした以来だったのでとても楽しかったです(⬇その時の記事)。
マルツァーンはベルリンに住んでいる人だけでなく、ちょっと長期でベルリンを旅行する人にもおススメのスポットなので、是非足を延ばしてみてください!
コメント
コメント一覧 (2件)
アルト・マルツァーンに自転車で行かれたんですね。しかもAhrendfelder Bergeまで!この山はそれほど行きやすい場所ではないので、正直なところ、観光ガイドで紹介するべきではなかったかなと思ったりもしたのですが、実際行ってみると、頂上からの眺めははるばる来てよかったと思わせる何かがありますよね。何気にベルリンでもトップ3に入るぐらいの高い場所でもあります。それはそうと、またいつかサイクリングにご一緒したいものですね。
中村さん
わざわざコメントありがとうございます!
Ahrendfelder Bergeの存在は中村さんの本を見なかったら絶対に知らなかったと思うので、書いてくれて本当に良かったです。そして実際に行ってみたら期待以上に素晴らしい景色で感動しました。文中でも触れましたが、東側の田園風景が印象的でしたね。普段の生活ではなかなか見られないので。それにしてもほんの15kmも行けばこんな風景が見られる先進国の首都ってすごいですよね。 ぜひぜひ、またサイクリングしましょう。とりあえず壁サイクリングを完結させたいですね!