Genki Wi-Fi

フリーランス イラストレーター高田ゲンキの情報発信ブログ、『Genki Wi-Fi(ゲンキ・ワイファイ)』。

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ベルリンのファンクバンド、
Rupert’s Kitchen Orchestraがカッコ良すぎる!

      2015/09/14

 - ベルリン, 音楽    -

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最近、好きすぎて毎日聴きまくっているベルリンのバンドを紹介します(本当に好きなので、このブログ記事のためにイラストまで描いてしまいました↑)。

その名は「Rupert’s Kitchen Orchestra(ルパーツ・キッチン・オーケストラ)」

バンドの名前は「Rupert’s Kitchen Orchestra(ルパーツ・キッチン・オーケストラ)」。名前の由来はよくわかりませんが、間違いなくベルリンを代表するストリート・ファンク・バンドで、ベルリンではちょっと有名な人たちなのです。週末ごとにベルリンのどこかで演奏をしているので、ベルリンに住んでいる人や観光で訪れたことがある人なら、もしかしたら見たことがあるかもしれません。

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バンドは4人編成で、イラストの左端から順にConny Rösler(コニー・レスラー):ベース / Chrispy Chris(クリスピー・クリス):ボーカル、サックス / Gido Ott(ギド・オット):ギター / Andreas Raab(アンドレアス・ラーブ):ドラムで、時々サブメンバーのキーボーディスとが加わることもありますが、基本的には4人で演奏をします。

今日は、日本人には全く知られていない、この「ルパーツ・キッチン・オーケストラ」の魅力に迫りたいと思います!

曲がおもしろカッコいい!

僕は常々「かっこつけた音楽」よりも「人を楽しくさせる音楽」の方がかっこいい、と思っているのですが、このRupert’s Kitchen Orchestraの曲は、まさに(僕基準の)「カッコいい音楽」です。彼らが演奏を始めると、道行く人は立ち止まり、歌詞を聴いて大笑いする人もいれば(基本的にドイツ語中心なので、僕は残念ながら笑えませんが)、リズムにつられて踊りだす人たちも多数で、いつの間にかバンドとオーディエンスが一体になって楽しんでいるのです。百聞は一見に如かず、ぜひ↓この動画を見てください(もちろん、実際に見る方が動画より何倍も楽しいのですが)。

Disco Boy / Rupert’s Kitchen Orchestra

演奏レベルがハンパない!

なんと言っても彼らの演奏レベルがすごいんです。僕は過去に音楽を真剣にやっていた時期が長かったので、リスナーとしてもかなりシビアに弾き手のクオリティを求めるのですが、初めてストリート(正確にはベルリンのマウアーパークという公園)で彼らの演奏を聴いたときは、あまりの巧さに思わず立ち止まってしまい、そのまましばらく見入ってしまって動けませんでした。演奏レベルと言っても漠然としてるので具体的に言うと…

リズムの正確さとグルーブ感がスゴい

このバンドの演奏の魅力のひとつは「リズム感」です。リズム隊(ドラムとベース)が個々に非常にスクエアな且つ精密な音を出し、そのふたりのコンビネーションが絶妙な化学反応を起こしてグルーブを生みます。動画を見る際に、ドラムのキック(バスドラ)とベースの音が同時になるポイントを意識してみると、より分かりやすいと思います。

彼らの音楽のジャンルやルーツはアメリカのファンクやロックですが、彼らの刻む(良い意味で)生真面目で正確なリズムは、何とも「ドイツ人気質」で、それが彼らの音楽を非常に心地よく、また新鮮なものにしています。

特に、ドラムのAndreas Raab氏の刻むリズムの正確さは比類無いレベルで、たとえば、たくさんのストリートミュージシャンがいる日曜日のマウアーパークでも、彼のドラムは群を抜いて正確で心地よい出音なので、遠くからでも聞き分けられるほどです。

↓この動画は、特にリズム隊のスゴさが分かりやすいかも。

ギターのテクがスゴい

Rupert’s Kitchen Orchestraは公称では「ファンク・バンド」です。そしてファンクという音楽で重要な要素を占めるのが「ギター・カッティング」の存在です。いくらリズム隊がグルーヴィでも、ギターのカッティングが心地よくないとファンクは台無しなのですが、この点に関してギタリストのGido Ott氏のカッティングは完璧と言えます(↓動画参照)。

また、Rupert’s Kitchen Orchestraの音楽はファンクにとどまらず様々なジャンルに及んでいます。具体的にはJAZZ・JAZZロック・ディスコ・ポップス・スカ等々…。そして、その多彩さは、ギタリストのGido Ott氏のギターテクニックによるところが大きいのです。特に、すごいのが「JAZZ的要素」と「ハードロック的速弾き」で、ファンクバンドとは思えないほどめまぐるしく展開するコード進行の中、超絶な速弾きで自在にアドリブを奏でる様は圧巻です。

クリスピー・クリスの多才さがヤバい

バッキング陣の強固な演奏を背に、フロントマンとして観客を楽しませるのがボーカルのChrispy Chris氏の仕事です。最初は、他のメンバーの技術に比べると、若干ヘタウマ的キャラかも?と思いましたが(実際、歌唱力的には「超ウマい」タイプではなく、例えるなら「ウルフルズを歌っているオザケン」的な、味のあるボーカル)、彼のミュージシャンとしての多才さを知るにつれ、その印象は大きく変わりました。

まず、歌いながらサックスも吹くというだけでも驚きですが(しかもサックスも相当上手い)、加えてダンスも上手く、さらに、時には観客席を走り回ってオーディエンスを笑わせるなどのコメディアンさながらのサービス精神も素晴らしく、そうした彼の才能やキャラクターによって多くのファンを獲得していることは間違いありません。

↓歌ったりサックスを吹いたり…

↓ダンスも上手い!

パフォーマンスが超楽しい

そんな4人が奏でる音を聴いていると、特別ファンク好きじゃなくてもみんな楽しい気持ちで笑顔になってしまいます。↓この動画を見ると、そんな空気を感じてもらえると思います。

演奏以外のカッコいい点

移動方法がカッコいい

Rupert’s Kitchen Orchestraは、ベルリン市内の各地でゲリラ的にライブをしますが、その際の楽器や機材の運搬・セッティング・撤収を、すべて自分たちでやります。特にカッコいいのがドラムのAndreasさんとベースのConnyさんで、このふたりは楽器や機材を自転車に乗せて移動するのです。日本ではあまり見かけませんが、ドイツでは↓こんな自転車(ちなみにこれはAndreasさんの自転車にドラムを載せてるところ)がよく走っていて、彼らは機材運搬用にカスタマイズして、夏でも冬でもこの自転車で移動するのです。

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↓こちらはConnyさんの自転車。前輪の上の部分が大きい荷台になっていて、そこにベースアンプを載せ、ベースは背負って移動します。

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↓機材車で帰途につくAndreasさん

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自転車好きの僕としては、なんともシビレる移動手段で、十数年前に自分が音楽をやっていた時代に、大してうまくもなかったのに、いっちょまえに車に楽器を積んで移動していたのが恥ずかしく思えます。

ビジネススタイルがカッコいい

これは、僕が現時点で知る限りの話なので、今後もう少しリサーチをしたいと思っていますが、Rupert’s Kitchen Orchestraは、日本で言うところのいわゆる「メジャーレーベル」にも「インディーズレーベル」にも所属しておらず、マネジメントをすべて自分たちで行い、自費で出版したCDを路上や公園でのストリート・ライブやイベントに出演した際などに売ったり、オンラインサイトでダウンロード販売するなどしている、言わば完全な「フリーランス・バンド」です。

彼らほどのレベルであれば、その気になればドイツでも当然メジャーレーベルとの契約をして全国的(あるいは全欧的)活動をすることも可能なはずですが、僕は彼らが意図的にそういう手段を避けていると思っています。理由は、僕が思うに以下の通りです。

ベルリンを愛しているから

最初の理由はコレです。彼らは非常にベルリンを愛していて、それは歌詞にも表れています。メジャーレーベルと契約して商業的に成功するより、自分たちの愛する街で、その文化の一部を形成することを優先しているとしか思えません。

自分たちの好きな音楽を追究したいから

これも大きな理由だと思います。時代の流行に流されず、自分たちが愛している、ファンクやJAZZロックにベルリンを舞台にした歌詞を乗せて歌いたい。そのために、このビジネススタイルを貫いているのではないかと思います。

ベルリンという文化的都市ならでは

一方で、このスタイルが成立するのはバンド側の意識だけでなく、オーディエンス側の意識によるところもある、と言えます。つまり、この街の人々は、有名か無名かに関わらず、街でたまたま見かけたミュージシャンでも、気に入ればCDを買ったりお金を渡したり、ファンになったら飽きずに何年も応援しつづける、そういう文化的土壌があるのです。また、ベルリンという街自体が特に音楽や芸術に寛容で、Rupert’s Kitchen Orchestraのようなバンドが無許可で街角でライブをやって大きな音を出したり、観客が集まって交通の妨げになっても、通行人も商店のオーナーも警察官も、誰もそれに対して文句を言わない街なのです。なぜなら、そういった活動を「迷惑なもの」として扱って禁止してしまうことが、長期的に見るとその街の文化度を低下させて、自分たちの人生を貧しくしてしまうことを彼らは知っているからです。

そういう意味では、Rupert’s Kitchen Orchestraのようなバンドが何年もこのスタイルで活動を続けられるのは、彼らのすばらしさだけでなく、この街の精神的成熟度によるところもまた大きいと思います。

Rupert’s Kitchen Orchestraの寛容さがカッコいい

そして、そのような街で育ったバンドだからこそか、Rupert’s Kitchen Orchestra自身もまた非常に寛容なバンドです。

街角や公園でライブをしていると、たくさんの人が聴きに集まってきますが、特にベルリンは変な人も多い街なので、中には「ちょっと変わった」お客さんも時々います。そして時にはそういう人が彼らの営業妨害にもなりかねないような行為をすることさえあるのですが、Rupert’s Kitchen Orchestraは決してそういう人たちに対して嫌な顔をせず、むしろ一緒に楽しんでしまうのです。

日本から観光に来た友人をマウアーパークに連れて行き、一緒に彼らのライブを聴いたとき、その友人が言った言葉が印象的でした。

「お客の中にはちょっと変わった人も混じっていて、もし日本であのくらい上手いバンドのライブでそういう客がいたら、バンドも客も迷惑そうな顔をするだろうと思ったけど、Rupert’s Kitchen Orchestraは、そういうお客さんも受け入れて一緒に楽しんでいるのが印象的で感動した。そのお客さんもとても喜んでいた。そういう部分がとてもベルリンらしいと感じた」

これは、まさに僕が常々思っていたことでもあります。ベルリンという街は、どちらかというとクラシック音楽やクラブ・ミュージックの中心地というイメージが強く、実際そういった音楽に憧れて来る人が多い街です。確かにそういう音楽も非常に盛んで、僕もそれら自体は非常に好きですが、一方で、それは必ずしもベルリンの全てではない、という思いも密かにありました。それは、クラブもクラシックも、特定の場所にお金を払って入らなくては楽しめない、という性格を持ったものだからです(一部、ベルリン・フィルのランチコンサートのように、レベルの高いクラシックを無料で提供するようなベルリンならではのすばらしい試みもありますが)。

しかし、Rupert’s Kitchen Orchestraに出会って、彼らの音楽に触れたとき「これこそが僕が求めていたベルリンの音楽だ」と思いました。彼らは無償で音楽を提供して、聴く人を皆楽しい気持ちにさせてくれます。そしてその音楽は誰にでも分かりやすい入り口を持っている一方で、聴くほどに発見のある深みも同時に持っていて、さらに(良い意味で)もの凄く「アホ」なんです。これはまさに(少なくとも僕から見た)ベルリンという街が持つ魅力そのものです(ベルリンは、貧しい人でもいくらでも楽しめることがあって、分かりやすさと複雑さを併せ持っていて、良い意味でもの凄くアホな街です)。

曲の購入やライブパフォーマンスの場所

曲を購入したい場合は

もし、ここで紹介した動画を観て彼らの音楽が気に入ったら、↓こちらのサイトで、日本からでも曲を購入することができます。

Rupert’s Kitchen Orchestra|bandcamp

全ての曲が、サイト上でフルコーラス視聴ができる太っ腹な仕様です。ちなみに、僕のおすすめアルバムは「Wir retten Berlin」と「Wir woll’n keine Party !」です。

Wir retten Berlin」は、公開ライブレコーディングをした音源を元に編集したライブ感あるアルバムで、「Wir woll’n keine Party !」はスタジオでじっくり作り込まれたアルバムです。

ちなみに、「Wir retten Berlin」の、公開ライブレコーディングの様子は↓こちらの動画で全て観ることができます。アルバムの音源と聴き比べるとおもしろいし、そもそもこのライブレコーディングのスタジオの雰囲気がカッコいいのです。

ベルリンでストリートライブを楽しみたい場合は

Rupert’s Kitchen Orchestraは、たいてい毎週末、ベルリンの街角でライブをしています。場所は以下の通り。

土曜日はハッケシャーマルクトのトラム駅

110714--

土曜日はたいていハッケシャーマルクトのトラム(路面電車)の駅で演奏をしています。時間は正午から40〜50分くらい。雨天中止(稀に決行)。

日曜日はマウアーパーク

101214_3日曜日はたいていマウアーパークで演奏をしています。こちらも正午くらいにスタートで40〜50分ほど。たまに2ステージやるときもあります。雨天中止(稀に決行)。

最寄り駅はUバーンだと、U2のEberswalder Str.駅で、トラムだと、M10のFriedrich-Ludwig-Jahn-Sportparkです。

facebookページで告知をすることも(しないことも)

基本的にはライブを決行する日はfacebookページで告知をすることが多いので、出かける前にチェックしてみると良いかもしれません。ただ、告知がないけど、行ってみたらライブをしていたこともあったので、いまいちアテになりません。

Rupert’s Kitchen Orchestra|facebookページ

日本人のルパーツ・ファンが増えたらうれしい

そんなわけで、僕が愛してやまないRupert’s Kitchen Orchestraを紹介しました。

こうして紹介することで日本人のファンがひとりでも出来たら、日本人の一Rupert’s Kitchen Orchestraファンとして、こんなにうれしいことはありません。

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